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寿産業

鉄製品の製造で〝肝〟となるローラーガイド

鉄鋼メーカーの〝参謀〟として供給責任を果たす

 ローラーガイドメーカーとして国内シェアの8割以上を誇る「寿産業」は、1951年の創業からローラーガイドおよび周辺機器を2万台以上供給。鉄製品の製造において〝なくてはならない企業〟として、国内大手の鉄鋼メーカー各社を70年以上にわたって支え続けている。

 ローラーガイドは、鋼材をさまざまな形状に加工する圧延機の〝入口と出口〟に設置する産業機械。高温に熱された鋼材を正しい角度や位置で圧延機へと誘導する役割を担い、鉄製品の品質に直結する極めて重要な機器といえる。

 同社では顧客である鉄鋼メーカー各社から寄せられるさまざまな要望に対応。近年は省人化や省力化、安全面の強化といったニーズが高まっている。

 鈴木孝太郎常務は「国内のあらゆる業界で人手不足が深刻化しています。鉄鋼業界も例外ではなく、今後ますます省人化、省力化の需要が高まるはずです。機器の運転や操縦を制御するシステムの構築など、これまで培った知識と技術をさらにブラッシュアップし、高まるニーズに応えていきたい」と意気込む。

 この言葉は、トップメーカーとしての〝気概〟の現れでもある。替わりが利かない企業だからこそ、〝できない〟とは言わないのが同社の企業文化だ。国内鉄鋼業界の一翼を担っているという自覚と覚悟、そしてプライドを持ち、社員一丸となって日々業務にあたっている。

「営業所」「技術部」「生産管理室」「製品室」の4部門が連携し、顧客ニーズのヒアリングから図面製作、部品調達、加工、組み上げまで自社で完結可能な体制を敷く。納品後の保守や修理も担うため、北海道から九州まで全国に拠点を有し、迅速に対応している。

 ものづくり企業としての品質へのこだわりもさることながら、小回りの利いた機動力も顧客から信頼される要因といえる。

 今年4月には、北海道科学大学出身の新卒者2人が入社した。近年は中途入社のほか、北見工業大学や北海道職業能力開発大学、工業高校出身の新卒入社も増えてきたという。

「当社が存続しないと困る方々がたくさんいます。トップメーカーとして供給責任を果たすためにも次世代の育成に力を入れています。大卒、高卒、新卒、中途、男女問わず、志と能力を平等公平に評価します。決して甘い会社ではありませんが、高い意識を持ち頑張る人にとって居心地のよい職場環境を整備していきます」と鈴木俊一郎社長は話す。

鈴木俊一郎社長
鈴木孝太郎常務
生産拠点となっている「発寒工場」