【サンエス電気通信と上田組がNASKEO環境と資本提携】新体制で個別型バイオガスプラントの普及を加速
フランスのバイオガスプラントを販売する国内法人「NASKEO環境」が、サンエス電気通信、上田組と合弁会社を設立。新体制のもと新たなスタートを切った。小規模酪農家向けにプラント整備を加速する。
サンエス電気通信(本社・釧路市、宮田昌利社長)と上田組(本社・標津町、上田修平社長)は、バイオガスプラントを開発するNASKEOエンバイロメント(本社・フランス)の日本法人、NASKEO環境(札幌市)に出資し、増資を通じたパートナーシップを締結。宮田社長がNASKEO環境の社長に就任し、本社をサンエス社の札幌支店に移転するなど3社の合弁会社として新たなスタートを切った。
3月6日には、赤れんが庁舎で共同連携調印式を開催。調印式で宮田社長は「バイオガスプラントは、牛のふん尿などの有機性廃棄物を微生物の力で分解し、メタンを主成分とするバイオガスを生成して電気をつくる施設です。フランスで実際に稼働しているNASKEO社のプラントを7年前にこの目で見て感動し、大きな可能性を感じていました。しかし、日本法人は少人数ということもあり、標津町や別海町、名寄市の3件ほどの導入にとどまっています。そこで今回、再生可能エネルギー分野の工事実績があるサンエス電気通信と農業土木工事を手がける上田組が協力し、バイオガスプラントの普及を加速させる運びとなりました。電気工事や造成工事などで連携してきたいと」と話した。
NASKEO環境はこれまで同様、カナダやスウェーデンなどの寒冷地を含め、欧州を中心に450件以上の導入実績を誇るNASKEOエンバイロメント社のメタン発酵設備「Biolectric」の国内正規販売代理店として、主に100~400頭規模の小規模酪農家向けに小型バイオガスプラントを販売。設計から施工、完成後の保守までを担う方針だ。
「道内では近隣の酪農家と共同で1つの大きなプラント施設を運営しているケースが多いようですが、例えば酪農家ごとでふん尿の収集選別の精度も異なるため、異物が混ざり発酵がうまくいかないなど、共同運営ならではの難しさや課題も見えてきました。やはり単独で完結できる個別プラントであることが重要」と宮田社長。
バイオガスプラントの導入によって、CO2の削減をはじめ、河川や土壌の汚染、臭気問題など地域課題の解決につながることはもちろん、酪農家はメタンガスによって発電した電気の売電(FIT)や自家消費も可能。発酵後のふん尿は敷料や肥料として再利用でき、牧場経営のコスト削減にもつながる。
なお、導入費用は300頭規模で約2億3000万円で、3分の2は国の補助金で賄うことができる。
宮田社長は「今年は2件の導入を目指し、来年、再来年と倍々にしていきたい。将来的には全国に普及させますよ」と意気込む。