TAKエンジ
SDGsの実現へ向けて自動消火装置導入を提案
防災は単なる災害対策にとどまらず、SDGsが掲げる共通理念の「誰一人取り残さない」という考えそのもの。11項目の「住み続けられるまちづくりを」の具体的な行動でもある。
「防火」と「ダクト火災対策」に特化してSDGsを推進するのが「TAKエンジ」だ。北海道と沖縄に拠点を持ち、自動消火装置の設計、施工、販売から保守点検を担っている。
川内谷篤社長は「特にダクト火災は、通常の火災とは異なり排気経路を通じて素早く広がるため、火災規模が拡大しやすい。それだけ防火対策や初期消火が重要です」と訴える。
同社で扱う「フード・ダクト用簡易自動消火装置」は、ダクト内の温度をセンサーで監視。火災発生時に自動起動して消火薬剤をダクトやフード内、厨房機器へすばやく放射して初期消火を行い、被害拡大を大幅に抑えることができる。
「商業施設でダクト火災が発生した場合、店舗の休業はもちろん、建物全体へ燃え移りかねません。さらに、近年の北海道は雪害による交通麻痺が多く、緊急車両が現場に向かえず機能しないこともある。官民含め防火対策の意義・必要性を今一度考えてもらいたいです」(川内谷社長)
今後、防火のキーになるのは〝特定防火対象物に対する基準〟だという。特定防火対象物とは、飲食店のほか病院や高齢者施設、幼稚園など不特定多数の人が訪れる施設や自力避難が困難な人が入所する施設を指す。火災時の人命危険が高いため、消防設備設置や防火管理者選任において厳しい基準が適用される。
川内谷社長は「基準は各自治体で異なり、北海道は比較的緩い傾向にある。例えば名古屋市では、スプリンクラーの設置義務がある特定防火対象物に、自動消火装置も設置しなくてはいけない条例となっています。道内における自動消火装置の義務範囲を広げ、導入を加速させる必要がある」と語る。
一方で、SDGsの10項目は「人や国の不平等をなくそう」。近年、北海道への外国人観光客数は増加している。こうしたことを受け、観光客が利用するホテルでも火災対策が急務だという。非常時の館内アナウンスや避難経路の表示は日本語と英語がほとんどで、アジア系の観光客に対応していない施設が多いからだ。
「直近でも札幌市内のホテルでダクト火災が発生しました。この際は簡易自動消火装置が機能し、大事にはなりませんでした。しかし、火災が起こると状況が判断できず避難が遅れる可能性がある。事案が起きてからでは遅いので、積極的に他の政令指定都市と比較し、先進的な他都市の条例を取り入れて改正してほしい」と川内谷社長。