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今振り返る、私の思い出紀行 第十九回【青木ビジネス企画センター社長 劉 暁娟氏】

2014年に洞爺湖遊覧船の乗り場前で撮影した集合写真

中国人留学生らと行った洞爺湖への日帰りバス旅行

 2000年に来日し、留学生時代(富山大学、北海道大学大学院など)を含めると、日本国内は沖縄を除きほとんどを回っています。

 約20年前に富良野市役所観光課で勤務していた頃、当時のホーム企画センターの青木雅典社長(現青木ビジネス企画センター会長)と出合い、その後、一緒にお仕事をするようになりました。当時、青木会長が北海道日中友好協会の会長を務めていた関係から、私は日中のビジネスのほかに、交流関係も主要な仕事となりました。

 また、青木会長が設立したNPO法人札幌中国友好協会での中国人留学生の支援活動も私の重要な仕事となり、年に1回行うバス旅行は私が毎年企画、主催をしています。

 この旅行は、ランチ付きの日帰りのバス旅行で、毎回3~40人の中国人留学生を招いて実施しています。これまでの参加者は延べ2000人を超えています。ほとんどが私費留学の学生で、旅を楽しみながら留学生活の苦労などを語り合い、相談し合う機会にもなっています。これまでには留萌・増毛の古いニシン漁場や酒蔵を巡る旅や、余市でのさくらんぼ狩り、日高の牧場見学、北竜のひまわり畑の旅などを実施しました。

写真の旅は2014年、洞爺湖を訪れた時のものです。数年前に開かれた北海道洞爺湖サミットの場所でしたので、留学生の関心も高かったです。

 実は、この時には中国から来ていた私の両親、義姉、甥が参加していたのです。元々日本への留学に反対だった両親が、大学、大学院を無事に卒業して、中国との貿易や交流事業に携わるようになった私に、ようやく理解を示すようになってくれていた時の旅だったのです。

 両親も初来日でしたので、バス旅行の前には1週間、道東方面を訪れました。釧路湿原、摩周湖、知床、網走などを巡り、両親、家族に喜んでもらった思い出があります。

 さて、NPO法人札幌中国友好協会は中国からの留学生に対して、バス旅行以外にも様々な相談・支援活動を行っています。また、日本に対する風評被害に対しても実情を伝える活動を続けています。

 今も黙々と支援活動をバックアップしていただいている青木会長には、中国人の一人として感謝するばかりです。かつてバス旅行参加した留学生からは折に触れて感謝の便りが届いています。

 私は青木会長の後継者として従来にも増して日中間のビジネス、NPO活動に携わる立場となりました。今後も留学生の支援活動を充実させるとともに、新たに中国の子どもたちを日本に招き、次代へつながる交流・支援活動の一環とする計画を進めて、アジア全体に広げたいと思っています。

 

青木ビジネス企画センター社長
北海道日中友好協会副理事長
劉 暁娟氏