現職・工藤寿樹も4選出馬?大泉洋の兄、函館市幹部・大泉潤がついに市長選に名乗り

 7月12日午前、函館市保健福祉部長の大泉潤氏が、函館商工会議所にふらっと現れた。アポなしの訪問に職員は驚いた。

 大泉氏は「先ほど、市長選に出るため退職願いを提出してきました」と報告。すぐに会議所を後にした。

大泉潤氏

 大泉氏は1966年、江別市生まれ。札幌北高校から早稲田大学法学部に進学した。弁護士を目指し司法試験に挑戦。卒業後、函館市役所に入った。保健福祉部次長から、2017年4月に観光部長に昇格。19年4月から、保健福祉部長を務めている。この3年間、市内の新型コロナウイルス対策に奔走。メディアの記者会見に登場する。

 政治家の大好物は“人気者”。弟はいまやドラマ、映画にに引っ張りだこの道産子俳優である大泉洋氏だ。

 現職市長の工藤寿樹氏は現在3期目。来年の市長選への対応を明らかにしていない。そうした中、大泉は先手を打つ形で市長選に名乗りを上げた。

工藤寿樹氏

 工藤は近々、政治資金パーティーを予定しているという。その中で、自身の進退について言及するとみられる。

 地元経済人は「工藤市長は4選を目指しているように感じる。工藤市長が来年の選挙に出るなら当然、商工会議所や各種業界団体は全面的に支援することになる」と話す。

 函館では07年、現職だった井上博司氏に市前助役だった西尾正範氏が辞職して出馬。11年の選挙では西尾氏に対し、副市長だった工藤氏が挑んだ。いずれの選挙でも下克上が成し遂げられている。大泉氏が出馬して、工藤氏も4選を目指せば、同じ構図が三度繰り返されることになる。

 大泉への支援の輪がどこまで広がるのか。現時点では壁があると言わざるを得ない。その理由は8月15日発売の財界さっぽろ9月号で。