【今月号特選記事】SAPICA還元率が10%→3%に大改悪!札幌市民に“ポイ活”のススメ

「SAPICA(サピカ)」は2009年に札幌市交通局が市営地下鉄に導入したICカード乗車券。地下鉄の券売機などで入金し、主に札幌圏の地下鉄、バス、市電で利用できる。一部店舗では電子マネーとして買い物にも利用可能だ。

札幌地下鉄構内にあるSAPICAの端末 ©財界さっぽろ

 SAPICAは一切の登録や手続きなしに、乗車運賃に応じて10%のポイントが貯まるのが最大の特徴。ポイントは乗車料金を上回ると、自動的にポイントに使用される。

 たとえば220ポイントが貯まったカードで210円の区間を利用すると、自動で全額ポイント支払いとなるわけだ。

 この“お得感”が魅力となり、SAPICAの売り上げは今年3月現在で約190万枚に上った。一方、JRや市外の交通機関と相互利用ができない利便性の悪さをデメリットに上げる声も多い。

 サピカが利用するICカード規格は、多くの鉄道会社が使用している「Suica(スイカ)」系の規格とは異なるものを使用している。そのため他のICカードが導入している相互利用サービスには加入できない。

 札幌市交通局は今年3月、SAPICAのポイント付与率を3%に引き下げると発表した。コロナ禍の影響で乗客の大幅な減少が続いたことを受け、地下鉄の経営状況が悪化しているためだ。

 札幌市交通局の担当者は3%の根拠について「経営改善を図りながら、利用者の負担の幅をできるだけ小さくするためのギリギリの比率」とする。

 最大のメリットが大改悪されたわけで、もともと利便性の低いSAPICAから相互利用できる他の交通系ICカードへ乗り換える動機に十分なり得る。

 前出担当者も「乗り換えるユーザーもいるとは考えています。サピカを今後も使って欲しい気持ちはありますが……」と率直に話す。

 交通系だけでなくコンビニや流通、銀行、ネットサービスなど、世はまさにポイント戦国時代。日々の買物や移動、支払いで上手に利用してポイントを貯める「ポイ活」は今や当たり前。だが本誌が全国の交通系ICカードのポイント還元システムを改めて比較したところ、“意外な事実”も見えてきた。詳しいポイ活事情については発売中の財界さっぽろ7月号にて。

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