【今月号特選記事】検証・北海道百年記念塔はなぜ解体されるのか?

 野幌森林公園にそびえ立つ北海道百年記念塔の解体を巡り、道と反対派が真っ向から対立している。

 北海道百年記念塔は、1970年に北海道100年記念事業の一環として建設された。完成から10年が経過した80年以降、約10年ごとに専門家による現状調査を実施。10年間の保守管理計画を策定した上で老朽化した箇所の修繕や改修工事を計画的に実施してきた。

 それでも96年頃から外壁などの一部落下が確認された、大規模な補修工事(塔外部)を行ったものの、完全復旧には至らなかった。

立ち入り禁止の看板が立つ北海道百年記念塔 ©財界さっぽろ

 道は安全面と維持コストを踏まえ、今後のあり方について検討。さまざまな意見をとりまとめた結果、18年12月に「ほっかいどう歴史・文化・自然『体感』交流空間構想」を発表した。その中身は50年後の北海道命名200年に向けて既存の記念塔を解体し、新たなモニュメントを建設。「北海道百年記念広場(仮)」として再整備するというものだった。

 解体反対派が猛反発する中、道は解体費を算定。22年度予算で解体総額6億4500万円のうち電気設備工事などに要する4300万円を計上し、可決。22年度中に解体工事が始まる見通しだ。

 道生活環境部の担当者は「賛否両方のご意見を多く頂戴していますが、維持コストや安全性などを総合的に判断した結果、記念塔は解体し、誰でも利用できる新たな空間にするという結論に至りました」と説明する。

 しかし、この決定を下すプロセスの背景に「解体ありき」とも見受けられる疑念が複数存在している。

 雑誌版・デジタル版が好評発売中の財界さっぽろ2022年5月号では、

(1)解体が道の既定路線だった?
(2)道が“老朽化”を印象づけた?
(3)不透明な維持管理コスト

という3点からこの問題を検証。取材の過程では、塔の維持管理調査を行った道内建設コンサル大手「ドーコン」が本誌に不可解な「守秘義務」を主張するなど、解体反対派が到底納得できない疑念が浮かび上がった。さらに道の担当者、反対派、設計者のコメントも交えながら詳報している。

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