【今月号特選記事】あなたの家は大丈夫?札幌市の大規模“盛土”はここにある!

 今夏も大雨が日本列島を襲った。発達した雨雲が線状に次々と発生。ほぼ同じ場所を通過していく「線状降水帯」がいくつも出現した。その結果、西日本を中心に洪水や土砂崩れなど、大規模な豪雨災害が各地で起こった。

 7月3日には静岡県熱海市伊豆山地区で大規模な土石流が発生。大量の土砂が近隣住宅を次々に飲み込んでいった。この災害で大勢の命が奪われた。

 県の調査によると、5万5500立方メートルの土砂が流出。その大半が開発目的で搬入された盛土であることがわかった。この盛土は、土地を取得した神奈川県の不動産会社が施工したが、熱海市に提出した計画を大幅に超える規模で不適切に造成した可能性が指摘されている。

 胆振東部地震(2018年)や熊本地震(16年)など、過去の大模地震で盛土造成された宅地で滑動崩落がたびたび発生したことから、国は各自治体に20年3月までに大規模盛土造成地マップを公表するよう、取り組みを進めてきた。

 滑動崩落とは、地震時に宅地造成前の谷底付近の盛土内部を滑り面として、盛土造成地の全体、または大部分が斜面下部方向に移動すること。

 大規模盛土には「谷埋め型」と「腹付け型」の2種類が存在する。前者は沢やを盛土で埋め、その面積が3000平方メートル以上の土地のこと。後者は盛土前の地盤が水平面に対して20度以上、かつ盛土の高さが5メートル以上の土地のことを指す。

 道内では31市町村、883カ所の大規模盛土造成地が確認されており、盛土が施工されている場所は各自治体のHPで公表しているマップで確認可能だ。

本誌記事掲載の札幌市内盛土マップ ©財界さっぽろ

 札幌市には道内で最多の183カ所が存在しており、その中でも最も多く盛土があるのは清田区だ。ちなみに北区、東区、白石区には大規模盛土に該当する造成地が存在しないため、マップの作成、公開はされていない。

 札幌市の担当者は次のように説明する。

「マップは大規模盛土造成地のおおよその位置と規模を示したものであり、この範囲は地震時に必ずしも危険ということではありません。このマップを通じて自宅が建つ土地の形状や成り立ち、地盤や擁壁の状態に注意を払うなど、防災意識の向上に役立てていただきたい」

 月刊財界さっぽろ9月号では札幌市内の盛土場所について、上記公表資料をもとにマップを掲載。お買い求めは以下のリンクからどうぞ。

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