【今月号特選記事】コロナ禍・札幌市の根回し不足も…丘珠空港「利活用案」策定先送り

「今時点で利活用なり(滑走路の)延長なりというようなことを進めていくのは、あまり良いタイミングではないだろうと(中略)アフターコロナにあらためて利活用、道内他空港との役割分担について、少し先延ばしをして議論をしていく必要がある」

 2月18日の記者会見で、札幌市長の秋元克広氏は、丘珠空港の利活用案についての質問にこう答えた。

 丘珠の滑走路延長を始めとする空港の活用策について、市は2019年度に検討委員会を設置。昨年7月に、現行1500メートルの滑走路の1800メートル化を早期に実現し、将来の2000メートル化も検討するよう求める報告書が出されていた。

 これを受け、市は今年3月末までに丘珠の将来像を取りまとめる予定だった。

 しかし、昨年来のコロナ禍で航空需要が国内外ともに激減。秋元氏は冒頭のように話した上で、とりまとめを次年度に延期した。

 だが秋元氏の発言に、地元関係者は苦言する。

「言っていることはよくわかるが、せっかく道経連さんが丘珠の利活用でシンポジウムまで開いてくれたのに、言い出すタイミングがちょっと悪いよな」

 そしてこう続けた。

「1年の遅れが、想定するスケジュールからすると〝致命的〟になるとわかっているんだろうか」と。

丘珠空港 ©財界さっぽろ

 札幌の都心部から約6キロの至近に位置しながら、限定的な利用に留まっている丘珠空港。慎重に議論してきた市だが、この利活用案とりまとめの先送りには「札幌五輪招致に間に合わなくなる」と懸念の声がある。

 発売中の財界さっぽろ4月号では、先送りの表明に直前の2月上旬、丘珠空港利活用に向けたシンポジウムが開かれたばかりという「間の悪さ」を指摘。市が招致を目指す2030年冬季五輪・パラリンピックに向けたこの1年の遅れがどれだけの影響を及ぼすかにも触れた上で、丘珠を取り巻く水面下の動きを追っている。購入は以下の当社オンラインショップなどからどうぞ。

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