【今月号特選記事】道新スポーツが電子版一本化?北海道新聞社・広瀬兼三社長の大胆改革

〈おはようとともに~道新スポーツ 一日の始まり~道新スポーツ…〉

 軽快なメロディーとともに流れるこのCMソングに聞き覚えのある道産子は多いはずだ。道新スポーツは1982年9月に創刊。以来、道民に親しまれている。発行元である北海道新聞社にとっても道新本紙に次ぐ有力な媒体として位置づけられ、販売戦略の面で大きな役割を担ってきた。

 創刊時のキャッチフレーズは「お茶の間で安心して読めるスポーツ新聞」。全国紙系列のスポーツ紙とは一線を画し、お色気系の記事や性風俗関係の広告掲載をしていない。

 こうした特徴からか、道スポは即売(コンビニなどでの店頭販売)よりも定期購読が強い傾向がある。

 ある道新販売店の社長は「本紙との併読率は高い」と明かす。販売店によっては、道新の朝・夕刊セット率よりも高いという。

 だが全体的に見ると道内の人口減少や社会のデジタル化が進むにつれ、部数面では苦戦を強いられていたという。かつては紙名と同名の子会社が担当していたが、今は北海道新聞ホットメディアの一事業に過ぎない。

 その中で電子版への一本化という話が飛び出した。現在、道スポの記事は「どうしん電子版」にも掲載されているが、今後どのような展開をするのかはまだ不明だ。

 道新は09年に「構造改革推進プロジェクト」を立ち上げ、翌年から全部門を横断するような収支改善の取り組みを始めた。その後、人員規模の適正化なども実施してきた。

 道スポの電子版一本化も一連の構造改革の側面は否めない。道スポは事業単体では赤字採算だったと言われている。サンケイスポーツから競馬面などの紙面提供を受けているが、もちろん有償。コストカットのターゲットになった可能性はある。

広瀬兼三北海道新聞社社長 ©財界さっぽろ

 現在の広瀬兼三社長体制になってから、本社移転と現本社ビルの収益物件化を決定している。道新は来年、道スポ創刊40周年であるとともに、本紙の創刊80周年を控えている。節目の年を前にして、広瀬体制のうちに課題を先送りせず果敢に挑んでいるようにも映る。

 発売中の財界さっぽろ2021年新年特大号では、道スポ創刊時の事情や低迷していると言われる道スポの直近の発行部数、道スポ電子版一本化後の見通し、道新のデジタル戦略やさらなる構造改革についても詳報している。

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