第一報の翌朝から続く空振り……吉川貴盛事務所“ガサ入れ”情報にマスコミ右往左往

寒空の下、記者が張り込む吉川貴盛氏事務所(札幌市北区、12月15日本誌カメラマン撮影) ©財界さっぽろ

「東京から各社とも情報が入って、1週間ぶりに張り込んだのですが……」

 北海道選出国会議員で元農林水産大臣の吉川貴盛氏が、大臣在職時代に鶏卵業者から現金を受け取った、とされる疑惑について、第一報を共同通信が打ったのは12月1日の深夜。

 発売中の月刊財界さっぽろ2021年新年特大号では、吉川氏の疑惑の舞台裏やこれまでの半生について緊急特集を掲載。そこでも既報の通り、東京地検特捜部の動きが本誌記者に飛び込んできたのは11月25日の夕方だったが、道内マスコミもそれぞれ同様に動きをキャッチしており、共同の配信を皮切りとして、12月2日朝から各社一斉に疑惑を報道した。

 捜査が表面化した後は、当然吉川氏の事務所へ家宅捜索(ガサ入れ)がおこなわれる。この当時、ガサの入る可能性が一番高いとされていたのが12月5日の臨時国会終了直後。ただし、2019年暮れのいわゆるIR汚職事件では、国会終了前に秋元司衆院議員の関係先へ一斉にガサが入った。

 そのため、本誌を含むマスコミ各社は、一報が報じられた12月2日以降、東京・永田町の議員会館にある吉川氏の事務所と、札幌市北区にある事務所には「いつ入ってもおかしくない」として、それぞれ張り付くこととなった。

 だが、その後12月6日までの4日間ガサ入れの動きはなく、各社とも寒空の下、吉川氏の事務所前で待ちぼうけのまま時間が過ぎていった。

 道内マスコミ関係者は「一説には並行して進んでいた『桜を見る会』関連捜査で、安倍晋三前首相の公設第一秘書の略式起訴を検討するなど、特捜も忙しく、順番に捜査をおこなっているという見方がある。また吉川氏に現金を手渡したという業者の供述内容の精査をしているという話もあった」と明かす。

 そうした中、マスコミ各社それぞれに「きょう12月15日にガサ入れがおこなわれる」という情報が駆け巡り、朝から10社以上が吉川氏の事務所前へと再集結した。

「東京の政治部方面から、きょう15日火曜、または国会の閉会中審査を避けた18日金曜にガサがある、という噂が出てきた」(前出関係者)

 この冬最初の寒波が訪れているきょうの札幌。最高気温もマイナス2.5度と真冬日だったが、結局のところきょうもガサ入れはおこなわれず、各社とも空振りに終わった。

 噂通りなら、次の“候補日”は今週18日金曜。果たしてガサ入れはおこなわれるのだろうか。

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