コンサドーレの“赤黒”をイメージしたカレーパン専門店が札幌・狸小路にオープン

「わたし入籍します」「大人はズルいと思いませんか?」「夜にパオーン」……。いったい何の話かと思うが、すべて同一人物がプロデュースしたベーカリーショップ、つまりパン屋の店名だ。

 日本国内各地でベーカリーショップを繁盛店に導く「ジャパンベーカリーマーケティング(JBM)」(本社・神奈川県横浜市)社長の岸本拓也氏は、昨今、巷でにぎわう高級食パンブームの仕掛人だ。大学を卒業後、外資系ホテルで広報やマーケティングを経験した後、パン屋を独立開業。横浜市内で1号店をオープンした後は店舗プロデュースや販売コンサルティングに進出し、2013年には同社を設立した。

 これまでにプロデュースした店舗は計197店(今年8月現在)。北海道内では18年6月に「でぶぱん」(札幌市北区)を手がけたのを皮切りに、19年1月に「乃木坂な妻たち」(同中央区)、20年5月に「パンダが笑ったら」(網走市)、20年7月に「僕のパン屋 純情セレナーデ」(札幌市白石区)と「暮らせばわかるさ」(同西区)が開業。そして今回「カレーパンだ。」が札幌市中央区の狸小路4丁目内にオープンした。

 グランドオープンを前日に控えた8月28日、内覧会を兼ねたセレモニーが開催。岸本氏をはじめ店舗関係者が出席し、多くのマスコミが詰めかけた。

写真左からベーカリージャパンマーケティング(JBM)専務の稲垣智子氏、パンパティ社長の大泉裕一氏、JBM社長の岸本拓也氏、音楽プロデューサーの田中知之氏、北海道コンサドーレ札幌運営会社社長の野々村芳和氏。稲垣氏は岸本氏の妻でもある ©財界さっぽろ

「カレーパンだ。」はJBMにとって道内初の直営店。それも店名通り、カレーパンの専門店だ。これまで同社が手がけてきた店は高級食パンの専門店が約半数を占めることから、カレーパンは新業態への挑戦となる。

 岸本氏は「カレーパンに挑戦したのは、大衆食でありながら、これまで専門店がほぼなかったから。北海道はスープカレーの存在もあって、カレーの激戦区ですが、それだけカレー好きが多いということでもある。札幌圏200万人へカレーパンの認知度をさらに高め、カレーパンをもっと大衆化していきたい」と意欲を見せる。

 販売するカレーパン2種類の監修を務めたのは「パンパティ」(本社・東京都町田市)社長の大泉裕一氏。「カレーパンを8時間で5497個販売した」という記録が、ギネス世界記録に認定されているという大泉氏は「かなり攻めた味わいのものと、少し落ち着いた味わいのものを2つ用意した」と自信の表情。岸本氏も「味の記憶や残像が残るものになった」と太鼓判を押す出来映えという。

 店頭で販売するのは「Sexyカレーパン」(通称黒カレー)と「めんこいカレーパン」(通称赤カレー)の2種類で各280円(オープン記念価格)。この黒と赤は、JBMがクラブスポンサーを務める、北海道コンサドーレ札幌のチームカラーをイメージしたもの。

 セレモニーに出席したコンサ運営会社社長の野々村芳和氏は「岸本さんとは数年前にお会いして、何か一緒にできればと言うことで今回形になった。カレーパンの大衆化を目指すという意味では、サッカーやコンサが道民の日常にもっと入り込むようにしたいわれわれと志が同じ。一緒に取り組みたい」と語る。

 このほか、店舗デザインとイメージソングは音楽プロデューサーでソロプロジェクト「Fantastic Plastic Machine(ファンタスティック・プラスチック・マシーン)」DJの田中知之氏が担当。セレモニーにも駆けつけた。

 JBMはこのカレーパン業態について、直営店・フランチャイズ合わせて道内を含む全国に3年間で50店の展開を視野に“大衆化計画”を進めていく考えだ。