月刊「財界さっぽろ」

続報!近隣自治体にも波及?厚岸町が「野犬(ノイヌ)銃殺廃止へ」

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野犬(やけん)か野犬(ノイヌ)かどうかは区別が難しい ©財界さっぽろ

 本誌2021年4月号では、道東の酪農地帯には野犬が多く、家畜や飼い犬が襲われたり、人が威嚇されたりといった被害が長年続いていることを報じた。とくに被害の大きい厚岸町山間部の酪農家など、町民から通報を受けた同町は「畜犬管理及び野犬(やけん)掃とう条例」に基づいて箱わなを仕掛けるなど対応を取っているが、警戒心の強い犬の捕獲は困難を極めてきた。同条例でいう野犬とは「畜犬(ペット)」以外を指すが、野犬の中にはヒグマやエゾシカ同様の「狩猟鳥獣」に該当する「ノイヌ」と呼ばれる個体がいる。このノイヌは狩猟が可能、つまり銃殺駆除が許されているのだが、野犬なのかノイヌなのか、見た目や一面的な行動では区別が難しい。道町では昨年度にノイヌ11頭を銃殺駆除。2016年度からの3年間までには39頭、16頭、25頭をそれぞれ銃殺した。銃殺した以上、この犬たちは「ノイヌ」に分類されるということなのだが、今年6月3日、町は今後銃器の使用をやめてノイヌも野犬として対応していくと公表した。この対応を受けた近隣自治体や関係機関の反応を探った。


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