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2012/04/10(火) 医学生の闇と大学の隠蔽体質

 医師不足が叫ばれて久しいが、その養成の現場で起こっていることは空恐ろしい。ペーパーテスト偏重の選抜方法は考え直すべきときに来ている。現役医学生を名乗る人物から次のような投書が届いた。非常に重要な問題を提起している。不原文は実名。

 現在、S医科大学医学部に在籍している者です。現在、大学内であまりにも問題が多いため、告発させていただきます。道民の方々にも広く知っていただきたい問題です。匿名希望です。

 私が問題だと思う点は以下にあげる2点です。

(1)事件に関する隠蔽体質
 まず、すでにご存知とは思いますが、昨年、大学で準強姦事件が発生しました。酒の場とはいえ、同級生の女生徒に対してレイプまがいの事をおこなったことは決して許されることではないと思います。事件にかかわった生徒4名のうち2名は退学処分となりましたが、この処分は一切公開されておりません。退学の理由など一切公表されずにこの2名の生徒は学校を追われました。うやむやのうちに処分だけして終わらせようという意図がかいま見えます。

 医学生にあるまじき行為です。是非、とりあげていただきたいです。本学の評判が下がることになるかも知れませんが、それでも事実を隠すことに比べればはるかにマシです。

 また、昨年、大学付属の寮『B』における酒宴にて、他校の生徒に無理やり酒を飲ませる事件が発生いたしました。無理やり酒を飲まされた生徒は急性アルコール中毒となり、死亡しました。B寮での飲み会は一切禁止という処分が下されましたが、このことについても大学は生徒や世間に一切の情報を公表していません。こちらもぜひ道民の方々に知っていただきたい事件です。

(2)進級制度における非効率性
 進級に関する新しい規定ができて数年が経ちますが、この制度は実にムダの多いものだという気がしてなりません。具体的には、「医学部学生第1学年から第4学年までの進級に関する申し合わせ(2009年度以降入学者の教育課程表が適用される学生対象)」に基づき、定期試験の本試験において、不合格科目数が全試験科目数の一定数以上となった場合、再試験の受験資格を失うとともに原級留置となるというものです。

 つまり、再試験の受験資格を与えられずに留年する事もある、という事です。さらに再試験をおこなうかどうかは各教授の判断にゆだねられます。本試験の成績では大量の留年者が出るために、本試験の点数を底上げするという信じられない歪みも発生しています。

 さらに、これに伴う税金のムダ遣いも問題です。私立医学部の授業料は6年間で平均して約3000万円です。国立医学部の授業料は6年間の平均で約350万円です。つまり、(3000-350)÷6=約442万円。国公立医学部の学生1人には年間平均で約442万円もの税金が使われているのです。

 昨年度、この新しい進級制度で留年が決定したのは、私が把握しているだけでも12名。全員を把握しているわけではないので、実際の留年者数はもっと多いと思われます。年間で合計12名以上。つまり、12×442=5304。5304万円以上もの税金がムダに使われていることになるのです。一昨年度も昨年度と同じだけの留年者が出たと仮定すると、税金のムダ遣いは1億円を軽く超えます。

 医師不足を解消しようと地域特別推薦枠で15名の入学者を増やしたのに、ほぼ同じ数だけ留年者を増やしたのでは全く意味がないと思います。さらに留年者の中にはこの地域特別推薦枠で入学した生徒もいると聞いています。

 確かに、人の命を扱う医学生の能力が著しく低いのは問題です。留年するのは、生徒の勉強不足が悪いとの指摘も当然だと思います。ですが、このような進級判定が導入されるまえから、4年次におけるCBTやOSCEなどにより、臨床実習に進む前の学生の学力は保証されており、CBTやOSCEに不合格のものは容赦なく臨床実習には参加できないようになっていました。つまり、実際の患者様を相手にする前の段階で、学力不足の者は落とされていたのです。前制度の時でも患者様に負担がかかることはなく、学生の学力が問題となることもなかったのです。また、新しい進級制度導入前から国試合格率は高水準で推移しておりました。

 にもかかわらず、進級制度を厳しくした理由がわかりません。留年者の中には出席率が100%近い学生もいます。このようなやる気のある生徒が、再挑戦することのかなわない状況で原級留置の処分を受け、1年間を無為に過ごすことは、学生にとっても、北海道にとってもデメリットが大きいと考えます。この1年間のあいだにも北海道の医師不足は深刻化しているのです。たった1科目から数科目を再履修するために、多額の税金と貴重な1年間を使うことが、果たして効率的と言えるでしょうか。

 医学生と言っても、要領よく試験に通る人もいれば、人の何倍も苦労しても試験に落ちる人もいます。それを「勉強しろ、努力が足りない」と言い切る人がいることも承知しています。しかし、熱意ある後輩を拾い上げてほしいものです。私自身、過去に何度も再試にかかりました。人の何倍も努力しても本試では不合格だったのです。おそらく、新しい進級制度の時代に入学していたら、何度も留年を繰り返していたことでしょう。

 ですが、前制度のために留年することもなく、現在はCBTとOSCEにも高得点で合格し、無事にポリクリをこなしています。仮進級で挽回のチャンスを残し、最後までやる気のない者は、CBTやOSCEにて落とし、患者様に迷惑のかからないようにする、という制度のほうが生産的だと思います。事実、前の制度ではそれで成功していたわけですから。

 また、留年者に対するアフターケアが一切なされていないのも問題だと考えます。留年者の多くは、新しい同級生たちとも上手く馴染めずに鬱々とした1年を過ごします。実際、これで精神を病んでしまった学生も多くいます。このような状態で大学を卒業したとしても、嫌な思い出の残る北海道には残らず、他県へ流出する医師が増えるだけだと思います。北海道の医師不足はますます加速すると危惧します。

 今すぐに進級制度を改めろとは言いません。ですが、この問題については道民のみなさんの意見を広く集め、議論する必要があると思います。果たして、あまりにも非生産的と思われる制度に道民の血税を1億円近くつぎ込むのは許されることなのでしょうか。税金のムダ遣いと、無慈悲な制度には怒りすらおぼえます。

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