成進(せいしん)
〝凡事徹底〟。日々の積み重ねによる「根力」で業容拡大
咲いた花見て喜ぶならば、咲かせた根元の恩を知れ――足場工事や解体工事を主事業とする「成進」の中里友宣社長が大切にしている言葉だ。
「目に見える成果だけでなく、その成果を生み出すための日々の積み重ねにこそ価値があるという意味です」と中里社長。
同社の創業は2003年。登別市で、中里社長自身と従業員の2人でスタートした。現在は仙台市にも拠点を構え、道内外の大型プロジェクトにも参画するまでに成長している。
例えば、道内では苫小牧市で出光興産北海道製油所が行う大規模定期保全工事「SDM」の足場工事に参画。本州では、茨城県で鉄塔の解体と足場工事、鹿児島県で火力発電所の解体などが進行中だ。
中里社長は「足場工事は、技術力だけでは他社と大きく差別化を図ることは難しい。次も成進に頼みたいと思ってもらうために、技術以外の〝外からは見えにくい〟部分にも目を向けてきました」と話す。
その一つが、徹底した安全への配慮。現場責任者と作業員が作業前の打ち合わせに十分な時間をかけ、綿密に工程を共有する。高所作業ではフルハーネス型安全帯が義務化される以前から導入し、工具の落下防止器具を装着するなど、事故防止対策を徹底してきた。
仕事への向き合い方も同様。現場の挨拶、服装や身なりなど、作業とは直接関係しない部分にも徹底的に気を配る。当たり前のことを徹底して続ける〝凡事徹底〟が同社のこだわりだ。
一方で〝早く、丁寧で安全な作業を地道に〟をモットーとしてきた。この言葉はまさに、表には見えない部分にもひたむきに取り組む「根力」を形にするもの。その姿勢は、現場の安全性や作業効率を高める新たな技術の導入にも表れている。
今年3月からは、道内のとび・土工企業に先駆けて、パネル式ユニットシステム吊り足場「トビスライド」を導入した。
従来の吊り足場は、現場で部材を組み立てる工程が多いのに対し、「トビスライド」は手すりや床材、支持部材などを規格化されたユニットとして構成。施工の均一化や作業効率の向上に加え、高所作業における安全性向上に寄与している。
「当社の本州案件を統括しているのは常務の結城です。38歳とまだ若いですが『根力』を継承してくれている。これから入社してくる若い世代にもきちんと継承し、さらに大きな『花』を咲かせていきたい」と中里社長。