成進

道内外で受注が拡大。働く場所を創出し人口流出も防ぐ
総合とび分野で存在感を放つ「成進」。登別本社のほか、室蘭市にも支店を構え、胆振・日高エリアを中心に多くの大型物件を手掛けているほか、仙台市に支店を配置するなど、道外市場も拡大中だ。
道内では、2024年から苫小牧市で出光興産北海道製油所が行う大規模定期保全工事「SDM」に参画し、足場工事を請け負った。エア・ウォーター輪西工場の定期修理工事では、足場工事のほか、大型機器の分解整備や据え付け工事にも対応している。
また、道内全域で電波塔の塗装に伴う足場工事も担当。直近でも岩見沢市からスタートし、登別市や函館市までの約2カ月間続く長丁場の案件を担っており、インフラ保全に貢献している。
中里友宣社長が「近年は道外の強化を図っています」と話す通り、道外でも大型物件の受注が相継ぐ。
東京都港区虎ノ門エリアの再開発プロジェクトの足場工事を手掛けたほか、九州での半導体新設工事にも参画した。現在も鹿児島県で、大型火力発電所の解体工事が進んでおり26年まで続く予定だ。
こうした九州、中国エリアでの受注拡大を受け、大阪を筆頭とした西日本エリアを統括する支店開設も計画しているという。
本業の一方で、中里社長が同じく注力するのが地域貢献活動だ。例えば、本社屋上には太陽光パネルを設置。胆振東部地震でブラックアウトに陥ったことが契機となり、災害時には地域住民に解放できる仕様となっている。
21年からは少年サッカー大会のメインスポンサーや地元の総合格闘技チームに練習場所の提供なども行っている。
中里社長は「室蘭市は空手、伊達市には剣道、さらに登別市には柔道の名門本部があり、武道が盛んな地域です。今後は当社に併設して総合格闘技ジムを立ち上げる予定で、日本を代表するような選手を輩出したい。当社で働きながら、格闘技に集中できるような環境を整えていきます」と話す。
また、23年には室蘭市内でドッグサロン「onlyわん」を開業した。道内初となる天然温泉浴を導入しており、地域の愛犬家に親しまれる店舗を目指しているほか、NPO法人と提携してイベントなども行っている。
さらに来春には、フランチャイズによる食品販売事業への参入も計画中。一号店は地元エリアに構える予定で、多店舗化も視野に入れている。
「働く場所を創出し、新たな雇用機会を生み出していきたい。ひいては、地元の人口流出防止の一助になれば」と中里社長。

