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会社員でも手軽に不動産投資 北海道初の不動産✕クラウドファンディング「NINEFUND」に応募が続々

第10号ファンドは、札幌市内の新築賃貸マンション建設プロジェクト

「ファクター・ナイン」(本社・札幌市)が昨年12月から提供する不動産クラウドファンディング「NINE FUND」は、10万円から可能な小口不動産投資として全国から出資が集まっている。不動産開発を主事業とする同社ならではの商品力の高さが売りだ。

不動産投資を身近に低リスクな資産形成を

 NISAやiDeCoなどが普及し、投資や資産運用に興味を持つ人が増えている。〝金利のある時代〟となったものの、銀行口座に入れておいても利息は微々たるもの。今後も物価の上昇が続くことを考えると、お金の〝活かし方〟が重要といえるだろう。

 ただ、株やFXなどは国際情勢の影響を大きく受けるため、リターンは大きいがリスクも高い。そこで注目されるのがローリスク・ミドルリターンの不動産投資だが、高額な投資となるケースが大半であり、初心者にはハードルが高かった。

 こうした状況下で「不動産投資をもっと身近に」と動いたのが「ファクター・ナイン」だ。同社は収益不動産の開発デベロッパーとして、札幌市内におけるデザイナーズ賃貸マンション建設の草分け的存在で、不動産特定共同事業法の1・2号事業者として都道府県知事から事業許可を受けている数少ない道内企業。総合不動産事業を展開する「ナインホールディングス」(本社・札幌市)の筆頭事業会社として知られる。

 昨年12月に立ちあげた不動産特定共同事業クラウドファンディング「NINE FUND」は、同社のプロジェクトにおける不動産の取得資金の一部をインターネットを通じて投資家から調達し、運用期間中の賃料収入など利益の一部を投資金額に応じて配当するもの。

 これまで月に1案件ペースで札幌市内の不動産ファンドを組成し、全10号(25年9月末時点)の平均想定利回りは8・25%と首都圏など他エリアの不動産クラファン案件と比べて高い想定配当率を誇る。どれも数カ月の短期運用で、9月末時点で第1~3号ファンドの償還が完了している。

 高橋宏弥社長は「1口1万円で10口(10万円)から不動産投資を始めることができます。出資者は初めての不動産投資という方も多く、不安もあるでしょうから、まずは早々に配当金を得られる短期運用を中心に組成しています。当初に定めた償還期日の順守は当然のこと、当社の所有物件によるインカム型ファンドや売却先が決定済みのキャピタル型ファンドなど、より安心して資産形成に取り組んでいただけるプロジェクトをリリースしています。当社のコア事業である不動産開発で培ったノウハウが詰まった商品力が評価され、出資が集まっています」と話す。

 さらに投資家保護の観点から「優先劣後方式」を採用。投資家を優先出資者とし、同社を劣後出資者とすることで、例えば対象不動産の評価額の下落など万が一損失が生じた場合は、まずは同社が損失分を負担する。この劣後出資割合が高いほど投資家のリスクが軽減されるわけだが、不動産クラファンの中でも高水準の劣後出資割合を設定。より安心感を与えている。

「事業者である当社の財務状況などを心配する方も当然いると思います。募集ページではしっかりと財務内容を公開するとともに、考えられるリスクも詳細に明記していますので、じっくりと吟味していただければ」と高橋社長。

全国から応募が続々募集金額の数倍も

 ファンドへの出資はWEBで完結するため、出資者は首都圏を中心に全国各地に広がっている。その多くは30~60代の会社員で、登録者は1000人を超えた。償還後の再応募などリピート率も上昇しており、口コミなども相まって新規出資者も増えている。

 第1号ファンドでは2000万円の募集に対し、9000万円超の応募が寄せられた。登録者の増加に応じて募集金額も増やしており、第9、10号ファンドでは1億円の募集金額に2億円を超える応募が寄せられるなど、組成ファンドの応募額は200%超を連発している。

 また、10号ファンドは「NINE FUND」初の新築賃貸マンション建設プロジェクトとなった。出資者にとって既存物件と大きく異なる点は現物を確認できないということ。「本当に完成するのか」という不安を抱く人もいると予想されたが、建物の設計や施工、完成後の管理までも自社グループで完結するナインHDの総合力で出資者の心をつかんだ。

 高橋社長は「不動産クラウドファンディングという新しい市場の認知度は、我々不動産業界でもまだ低く、一般の方には浸透していないのが現状です。ただ、投資意欲が高く、世の中の流れにアンテナを張っている層に少しずつ浸透しつつあると感じています。地元北海道の方々にも『NINE FUND』の存在を知っていただきたいですね。札幌や近郊在住であれば、該当物件や建築現場をご自身の目で直接確認することも容易です。より安心できるのではないでしょうか。『よくわからないから手を出したくない』という気持ちもわかりますが、投資の〝勉強〟もかねて、一度募集ページだけでものぞいていただきたいですね。NISAやiDeCoと同様に、将来の資産形成における金融ポートフォリオの選択肢の1つとして『NINE FUND』を検討してほしい」と話す。 

会員登録は下記からアクセス
https://9-fund.com/

 

金融機関に預けていても利息は微々たるもの
オフィス風景。同じビル内に設計や施工を担うグループ各社が入居する