成進
「人」の成長と確保で拡大。企業認知の向上も成功
とび・土木工事業の「成進」は、登別市の本社のほか、室蘭市や仙台市に支店を置く。胆振・日高地区を中心に道内外で多くの特殊足場工事などを担っている。
大型案件を数多く手掛けており、例えば道内では、大型電波塔や発電所の塗装に伴う足場工事などを担当。直近でも苫小牧市の発電所で、足場工事を担っている。
道外は、東京都港区虎ノ門エリアの再開発プロジェクトの足場工事を皮切りに、関西や九州などでさまざまな大型プロジェクトに携わってきた。
中里友宣社長は「企業は人材があってこそ。事業が拡大しても人材の育成と確保ができなければ、いずれ頭打ちになる。当社の戦略テーマは『人』です」と語る。
その象徴が本州を統括する結城史成常務で、エリア責任者へ抜てきしたのは2017年。当時、27歳と若かったが、中里社長はその将来性を買い「経験を積ませて、成長スピードを加速させたい」と積極的に登用した。これが奏功し、道外での事業規模拡大へとつなげている。
人材確保には、地元である日胆地域の特性を最大限に生かす。
室蘭市は空手、伊達市には剣道、さらに登別市には柔道の名門道場があり、武道が盛んな地域として知られる。頑健で誠実な若者にアピールするため昨年末には、本社に併設して総合格闘技ジムを開設し、働きながら格闘技に集中できる環境を整備した。これが口コミで広がり、今年4月からは高校の新卒者も入社する予定だ。
一方で、現代は価値観が多様化している。さらに、業界では安全面や労働時間の厳格化も進む。中里社長は、こうした変化に業界全体で対応すべきだと考えており、若い世代の価値観を業界で受け入れて〝職人気質のホワイトカラーの会社員〟を育成していくべきだという。
一般社団法人北海道鳶土木工業連合会の理事も務める中里社長は「若年層の仕事への価値観は一昔前と全く異なります。労働時間などの規制も進み、週休2日制と月給制の完全導入は必須でしょう。これからは、会社員のような安定性を整備しながらも、職人の心を持った人材の育成を業界一丸となって進めていきたい」と話す。