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Inankl(イナンクル)

前野 航星社長
まえの・こうせい/1995年札幌市生まれ。北海学園大学経営学部卒業後、北海道職員として勤務し、関東のIT企業勤務を経て、2024年にInanklを設立。

自社の全業務をAI前提に。知見を中小企業へ

契約前にデモ提供。〝手が届くIT〟を札幌から

――創業の背景を教えてください。

前野 2024年11月に大学時代の友人と二人で設立しました。設立前は二人とも東京で働いていましたが、出身が北海道ということもあり、これまで培ってきた経験を地元で生かしたいと考え、北海道に戻ってきました。会社として掲げているのは、「大企業じゃなくても手が届くITを札幌で届けたい」という思いです。中小企業にとって一番身近なIT企業を目指しています。

――導入負担を抑えた価格設定が強みと聞きました。

前野 人手不足が深刻化している中、システムを導入しようとしても、大規模な個別開発では、見積もりや導入に時間がかかり、費用が中小企業の負担になる場合があります。「うちは小さい会社だから仕方ない」と諦めてしまう企業が多いのではないでしょうか。

こうした構造は、ITを提供する側のコスト構造を変えない限り変わらないと思っています。そこで私たちは、少人数の人員と社内で活用するAIを組み合わせ、業務システムを低コストかつ短納期で提供できる体制を整えています。北海道の企業の99・8%が中小企業です。北海道経済を支える中小企業の現場にAIを無理なく組み込み、経営者と社員が本来の仕事に集中できる状態をつくる。これが創業から一貫した理念です。

――どのような相談が多いですか。

前野 「業務を効率化したいけれど、何から手をつければいいのか分からない」という声が一番多いです。予算を含め自社に何が合うのか整理できず、後回しになってしまうケースですね。ITに詳しい担当者がいないため、導入後にどう運用していけばいいのか分からないという相談も多いです。

――そのような相談にどうアプローチしていますか。

前野 業界や業種は特に限定せず、その会社の仕事に合わせたオーダーメードのシステムを、現場と一緒に作っていく「デジタル伴走」を行っています。まず実際に現場で業務が今どう回っているのかを見せてもらった上で、現在のやり方を大きく変えずにシステムへ落とし込んでいきます。導入後も現場の声を拾いながら課題を1つひとつクリアしていき、システムが現場に定着するまでサポートいたします。契約前に実際に動くシステムのデモを無料でお見せすることも特徴です。導入前に実際の使い方や効果を確認いただくことで、費用対効果をイメージしやすく、導入後のミスマッチを減らせる点が当社の強みだと考えています。

採用や書類作成などAIがワンストップ対応

――実際の導入事例を教えてください。

前野 1つ目は、採用担当者がいない会社の事例です。「AI採用担当」を導入し、これまで別の社員が兼務していた採用業務をAIに任せました。求人原稿の作成、応募状況を踏まえた求人内容の見直し、応募者対応、面談の日程調整までAIが24時間体制で行います。面接が9件組まれた時点で「今月はもう十分なので止めてほしい」と言われ、月の途中で募集を止めた会社もあります。

――建設業での導入事例もあります。

前野 建設会社の見積もり業務を効率化しました。導入前はベテラン社員が1人で自社の単価表と照合しながら手入力で見積もりを作成するなど、いわゆる〝属人化問題〟が起きており、見積もりや発注の判断が社員1人の頭の中にあり、その人がいないと業務が進まない状況でした。そこで当社は材料と数量の一覧をAIが読み取り、単価表と照合して見積もりのベースを作成する仕組みを作成しました。ベテラン社員は最終的に金額が間違っていないかを確認するだけで済むようになりました。見積もり作成に時間を取られて現場に行けない状態から、現場に行く時間を確保できるようになったという声をいただいています。

――AI導入やシステム化の料金は。

前野 業務の内容や導入規模によって費用は変わるため、まずは無料の問診で状況をうかがった上で、導入方法をご提案しています。導入内容によっては補助金などを活用できる場合もありますので、まずはお気軽にご相談ください。

導入後は30日間の「伴走支援」が付き、ご要望に添って修正していきます。

――最後に、経営者の方々へメッセージをお願いします。

前野 当社では少人数の社員と、社内で常時稼働するAI社員が、営業やシステム開発、SNS運用、マーケティングなどを行っており、そこで得た知見をお客さまに還元しています。人が採れないからといって、会社の成長を諦めるのではなく、人を増やさなくても回る会社をつくっていきたい。人手不足が深刻になる北海道の中小企業にこそ、AIは大きな力になると思っています。ただ、すべてをAIに任せればいいとは考えていません。任せるのは安定して処理できる業務で、判断が必要な場面は人が担う。AIによって人が見なくなるのではなく、人が本当に見るべきところに集中できる状態をつくることが大切です。「AIでこういうことはできるのか」「とにかく今の仕事を楽にしたい」というところからでも構いません。ぜひ気軽にご相談ください。

 

同社HPでAI導入に関する問診を無料で受け付けている。