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伊藤機械製作所

上岩松発電所に設置されているアーム式除塵機

123年の伝統と技術でインフラを支え、暮らしを守る

 治水機能や電力供給を担うダムと発電所は、暮らしを支える重要なインフラの1つ。その設備を陰から守り続けているのが、創業123年の老舗企業「伊藤機械製作所」だ。

 水門(ゲート)、巻上機(水門開閉装置)、水中に流入した不純物を取り除く除塵機などの設計・製造・施工・修理を主事業としている。

 電力会社からの依頼が多数を占めており、これまでに札幌市の藻岩ダムや豊平峡ダム、岩松発電所(上川郡新得町)、久保内発電所(有珠郡壮瞥町)など、全道で施工実績がある。

 現在も、2027年の再稼働を予定している泊原子力発電所構内に設置される設備一式の図面作成・製作・納入を担当。さらに、蘇牛発電所(釧路市)の除塵機の製作・据付や、ダム取水口への流木の流入を防ぐ「トラッシュブーム」の設置など、複数の工事が進行中だ。

 長年にわたり多くの受注を獲得してきた理由を伊藤真一社長は「当社には〝どんな状況下でもお客様に誠実に向き合う〟という創業時から続く教えがあります。その姿勢を貫いてきたことが信頼となり、今につながっていると考えています」と語る。

 同社が誇る技術スタッフは、キャリア30~40年のベテランを中心に19人で構成されているが、設計担当が現場で製品の据え付けを行い、溶接担当が機械加工に対応するなど、分野を横断する高い技術力が特長だ。

 伊藤社長自身も現役の技術者として図面作成や現地調査を担っている。

 水門や除塵機は現場ごとに仕様が異なるため大量生産が難しいうえ、数㍉単位の精度が求められる。伊藤社長は、30年以上にわたる現場経験を生かし細部まで調整を重ねた高品質な製品を供給している。

 国内の製造業は人材不足や技術継承の難しさなど、さまざまな課題に直面しているが、同社では、25年に大手製鉄会社で経験を積んだ伊藤社長の長男が入社し設計を担うなど、新たな戦力として期待を集めている。

「図面が形になり実際に動くところが、ものづくりの醍醐味です。社会インフラの一端を担い、支え続けるという当社の役割と技術を次世代へ継承していきたい」と伊藤社長。

伊藤真一社長
ベテランの職人が製作にあたる
札幌市東区の本社屋