アムテック
新工場の完成が間近。先端機器の導入で業界を牽引
ポリエチレン管など新素材への転換、ロボット・3Dプリンティングなどの先端技術導入が進む配管業界。札幌市に本社を置く「アムテック」は、こうした流れに乗り、道内の配管業界の発展に尽力している。
同社は冷暖房や給排水衛生設備工事など、年間で200㌧以上の配管を組み上げている。大型案件にも数多く携わり、札幌都心の複合施設「さっぽろ創世スクエア」や「北海道ボールパーク」「ココノススキノ」の配管設備工事にも参画。直近では「丸井今井札幌本店」の給水管の更新工事も手掛けた。来年も札幌都心部の再開発工事への参画が控え、受注は右肩上がりで伸びている。
2021年からは、配管工事のノウハウを生かして自社工場で配管加工や部品製造にも着手。製造・加工から施工までを一貫することで、工期の短縮にも成功した。こうした事業拡大に伴い、11月には新社屋と工場が札幌市内に竣工し、新たに最新機器も導入する予定だ。
一つは、配管機器や溶融亜鉛メッキ製造のシーケー金属(本社・富山県)社製の「パイプシェーバー」。配管の溶接に必要な亜鉛除去や開先加工を完全自動で行う世界初のマシンだ。
もう一つが金属を切断する「カットオフマシン」と呼ばれる、金属加工機械製造の国内大手「アマダ」(本社・神奈川県)の最新鋭機。切断プログラムを容易に作成できるタッチパネル式IoT機能が搭載され、オペレーターの経験や習熟度を問わず、高精度な切断加工ができるのが特徴だ。
島田清光社長は「先端機器の導入で、業務効率化と品質向上を一気に進められます。道内での導入率はまだまだ低いため、先陣を切って機械化の優位性を示していきたい」と語る。
こうした思いは、島田社長自身が北海道配管事業協同組合青年部会長を兼務している事が起点。目下、若年層への認知度向上など配管工事業界の発展に努めている。
その取り組みの一環として、中学・高校生など若年層を対象としたインターシップや職業説明会を実施。自社工場の見学会なども行い、配管事業の魅力を若い世代に発信している。
さらに、毎年8月に札幌市内で行われる「札幌技能フェスティバル」には毎年欠かさず参加。建築系のさまざまな業種の組合が集い、子ども達にものづくり体験や技能士による実演などを行っている。
「自社を成長させると同時に、業界が抱える問題にも切り込んでいく」と島田社長。