MOEホールディングス

独自の介護メニューで個々にマッチしたサービスを展開
「MOEホールディングス」は総合介護事業者として、多種多様な介護施設を展開している。
介護事業全般を行う「萌福祉サービス」、専門的な医療の提供も行う「医療法人社団萌水会」、1日最大7000食を賄うことができる高齢者施設向け給食サービスの「MOEsキッチン」など、グループ6社が連携。〝あたりまえの生活を送る〟をテーマに、利用者一人ひとりにマッチした質の高い介護サービスを提供しており、徹底した安全対策は高い評価を得ている。
新しい介護メニューの開発にも取り組む。一例を挙げると、理学療法士監修のリハビリ「モエトレ」や脳トレや回想法を取り入れた「萌大学」、国語・算数・理科・社会の4分野で構成した「MOE Study」などが挙げられる。
5月末からは、各施設に併設している菜園で自社の野菜栽培を事業化し、「MOEsファーム」としてスタートさせる。
水戸康智社長は「各施設では、入居者様の活動量向上の一環として野菜栽培を行っています。この野菜をMOEsキッチンのセントラルキッチンで調理して、ほかの入居者様にも食べてもらう。こうした循環をつくることが入居者様の〝やりがい〟を生み出し、ひいては〝幸齢〟につながるのではないでしょうか」と語る。
独自のビジネスモデルにより事業は着実に拡大。現在は、道内17市町村に95カ所の事業所を展開しており、その数は年々増加している。
中でも近年、注力しているのはM&Aによる介護事業者の再建だ。例えば2023年には、美唄市内で7施設を展開する社会福祉法人「恵和会」を傘下に収めた。現在も札幌市内で1件、地方3件のM&A案件が進行しているという。
「高齢化に加えて、地方は人材不足も深刻です。堅実に経営しているのにもかかわらず、人手不足で経営状況が悪化する運営会社も多い。当社のスキームを最大限活用して、地方の介護を守ることができれば、介護難民の解決になると考えています」と水戸社長。
一方で今年7月には、運営する全施設で介護メニューを統一化し、本部で管理するシステムの開発が始まる。さらに、各施設でのサービスの質のばらつきを無くし、高水準で一定化することを目指して、すべての施設を一元管理するプラットフォームの構築も計画している。
水戸社長は「これらが完成すると、自社施設の運営がシステム化できることに加え、システムを販売することも可能となる。これをフックに道外や海外への進出も視野に入れています」と話す。

