ほっかいどうデータベース

MOEホールディングス

介事連の斉藤正行理事長。自民党より第27回参議院議員普通選挙における比例代表公認候補者でもある

根拠あるサービスで利用者と家族に安全・安心を提供

 総合介護事業者として、多種多様な介護施設を展開する「MOEホールディングス」。介護事業全般の「萌福祉サービス」や、高齢者施設向け給食サービスの「MOE’sキッチン」など、グループ企業も6社に拡大している。

 水戸康智社長は「2024年度も引き続き物価高の影響はあったが安易な価格転嫁はしなかった。料金の値上げは、入居者を路頭に迷わせてしまう。質を落とさずに食材費を抑えるなどの経営努力と、そのための設備投資を継続してきました」と振り返る。

 今後は、安全や安心の〝根拠化〟を進める。自社農場で栽培し提供する野菜が無農薬であることや、AIが利用者を24時間見守る防犯カメラの設置状況などを対外的に発信。利用者への安全・安心に対するエビデンスを示していく。

 この取り組みのなかでも、特に注力していくのが「食事」だ。おいしい料理の定義は人それぞれだが、例外なく重要なのは提供温度と捉え、温冷配膳車の採用や調理工程の見直しなど、各施設の状況に合わせて行う。

 また現在、同社が運営する介護施設は道内17市町村に95カ所にのぼる。介護業界では、物価高や人材不足で経営が厳しい企業も増えており、これまで通り積極的なM&Aなどによる拡大を推進中だ。さらに、近年は医療機関からの相談も舞い込んできているという。

「医療機関が傾くと子育て世代にも影響がおよび、さらなる人口減少や過疎化につながります。地方創生を担うつもりで、最大限の経営努力をしていきたい。当社への参画方法にも幅を持たせて検討しています」(水戸社長)

 一方で、水戸社長は公職として全国介護事業者連盟の副理事長と北海道・東北ブロック支部ブロック長を兼任しており、6月には「第一回 北海道・東北ブロック大会」を主導した。

「各地域に高齢者が住み続けることができ、介護従事者には働きやすい環境が提供される。そんな未来を北海道と東北で手を携えて実現させていくのが私の役目でもあります。それらを確認できた意義ある大会でしたし、今後の当社の経営にも生かしていきたい」と水戸社長。

温冷配膳車を採用。食事の提供温度には徹底的にこだわる
水戸康智社長