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北海道科学大学・北海道科学大学短期大学部

渡辺 泰裕 学長
(わたなべ・やすひろ)千葉大学大学院博士後期課程修了。北海道薬科大学助手、講師、助教授を経て2000年から教授。薬学科長、副学長を経て、12年から学長。18年より現職。薬剤師。薬学博士。

充実した設備と経験を生かし、ハイブリッド型授業を展開

――スムーズに遠隔授業に移行できたようですね。

渡辺 昨年の4月、通信技術に長けた工学部情報工学科の教員を中心に「遠隔準備検討プロジェクトチーム」を立ち上げ、オンライン授業を設計しました。現在、座学については全学的にオンライン授業ができる体制を整えています。学生のアンケート調査では97%が「順調」あるいは「問題ない」と回答しています。一方、実習については密を避け、感染防止対策を取りながらキャンパス内で行っています。オンラインと対面によるハイブリット型授業へと順調に移行できました。

――実習も工夫していますね。

渡辺 例えばメディアデザイン学科では、オンライン上で学生同士によるディスカッションを行い、教員が論理的な指導をする実習を実施しています。また、電気電子工学科の電子回路作成と、その電気的特性を測定する実習では、学生の自宅に実験機材を郵送し、オンライン上で指導するなど、可能な実習は全学的にオンラインで行っています。

――感染対策に対してはこの1年で次々と手を打ってきましたね。

渡辺 講義棟入口にはAIサーマルカメラを設置し、道内の大学では初となる光触媒コーティングも学内各所に実施しました。また、保護者らによる親交会からご寄付いただいたアクリルパーテーションを数多く設置しています。これらのことが学生の安心感につながっていると思います。
さらに、皆様からの寄付や同窓会の支援もあり、生活支援金として大学から5万円、同窓会から3万円、自宅に遠隔授業を受講できる設備が整っていない学生に対しては通信環境整備支援金として3万円を給付しました。その結果、オンライン授業で取り残される学生を出さずに済みました。 

――コロナ以前から構築していたWi‐Fiが飛び交うモバイルキャンパスが機能しましたね。

渡辺 教員はキャンパスのどこからでも授業を配信できるなど、これまでの取り組みが正しかったという確信を得ました。アフターコロナでも授業に限らずさまざまな面で活用していくのがニューノーマルであり、新しい時代の教育です。大学が社会的役割を果たすための非常に有効なツールですし、積極的に活用していきます。
ただ、本学には広大なキャンパスがあります。学生は大学に来て学び、生活する。これが基本であることは変わりません。

――入試も順調でしたね。

渡辺 学科によって差異はありますが、おおむね好調です。ネットで代替開催したオープンキャンパスでは、本学が有するインターネット放送に対応した本格的なスタジオなどの設備とこれまでの経験を生かし、しっかりと本学の内容を伝えられたと自負しています。

――3D空間を活用したバーチャル卒業式も話題でした。

渡辺 学内に期間限定で3Dボディースキャナーを設置し、実物に近い3Dアバターを生成できる仕組みを整えました。生涯で一度しかない大学の卒業式です。3Dアバターを活用したことで、思い出に残る学位記授与式になりましたし、学生のスマホにも保存されています。良い試みでした。

――就職については。

渡辺 昨年に関しては、コロナの影響は軽微なものでした。学生が大学に来られない状況が続き、内定者の把握が遅れましたが、最終的にはほぼ100%という見事な結果を残してくれました。ただ今年は社会が耐えきれるかという懸念があります。就職支援を一層強化する必要があると考えています。

――設置法人の創立100周年が3年後に控えています。

渡辺 100周年事業の一環として、地域の方を対象とした四季のイベントを予定しています。今年の夏は「ていね夏あかり」を無観客で実施し、ユーチューブで配信する計画を立てています。また、公開講座はすべてオンラインで行っています。地域に根差す大学として、コロナ禍でもできることをやっていきます。


23年には北海道科学大学高校が前田キャンパスに移転する