さよならonちゃん!HTB旧社屋のシンボル“最後の日”の一部始終

 2018年9月に札幌市豊平区平岸から同中央区の「さっぽろ創成スクエア」へ移転した、北海道テレビ放送(HTB)。その後、旧社屋の使い途については塩漬けとなっていたが、今年1月末に道内住宅大手「土屋ホールディングス」(札幌市、土屋昌三社長)のグループ会社「土屋ホーム不動産」(同、所哲三社長)が買収し、社屋側は宅地、隣接する駐車場はマンションとしてそれぞれ再開発を行うことになった。

 一方、同局の移転にともない、旧社屋とともにその“処遇”が話題となってきたのが、屋上に設置されていた同局マスコットキャラクター「onちゃん」像だった。

 1998年から屋上に設置されたという像は、同局の人気番組「水曜どうでしょう」の収録に使われている社屋裏手の平岸高台公園とともに、一帯のシンボルとして長く愛されてきた。

 そのため、昨年12月末には有志が「保存する会」を結成。像を札幌市に譲渡し、高台公園に移して保存することを目的として活動したこともあった。

 だが像はおよそ5トンもの重量がある巨大なもので、維持管理の問題も大きいことから、同会に対して保存が困難であることを伝え、同会も活動を中止していた。

 像は今年3月末に旧社屋の解体が始まった後は撤去を待つのみとなっていたが、きょう6月25日に撤去が決定。本誌も土屋ホーム不動産の許可を得て現場に立ち会った。

 この日は同局が「南平岸旧社屋・onちゃんの最後の姿をお届けします!」と題してYouTubeで生配信。林和人・室岡里美・福永裕梨の同局アナウンサー3人が降下の瞬間を見守った。

打ち合わせをするHTBの撮影クルー ©財界さっぽろ

 13時から始まった撤去は、70トン級のラフテレーンクレーンを使用し、まず像と台座を吊り上げて地上まで降下。台座を切り離した上で地元の産業廃棄物処理業者が用意した運搬車に載せられた。

吊り上げられたonちゃん像(左)と運搬車に載せられたところ ©財界さっぽろ

 同局の生配信が終了した後、像とともに屋上へ置かれていた「6チャンネル」の部分も降ろされ、同じく運搬車に。14時45分ごろ、ブルーシートをかけられた状態で社屋から搬出された。

続いて「6チャンネル」の部分も降下(左)と搬出時 ©財界さっぽろ

 処理業者によれば業者の敷地内に運ばれ、本日中に解体を終える予定という。

 地上に降り立ったonちゃん像は、想像以上の大きさを感じるとともに「きれい」という印象を持った。立ち会っていた同局関係者によると、社屋移転後はとくに清掃や補修はしていなかったという。きれいな状態のまま解体されてしまうことに、活用の機会はなかったのだろうかとの思いを強くした。

 土屋ホーム不動産によれば、旧社屋の解体には年内いっぱいかかる見込みとのこと。社屋側の宅地は今年9月ごろから「ピースフル高台公園onちゃんヒルズ」というエリアブランドで販売が開始される。

 宅地は来夏には完成の予定で、駐車場側にできるマンションは15階建てを予定しており、こちらは再来年の23年9月に完成となっている。

 気になる宅地の坪単価などは、7月15日発売の月刊財界さっぽろ8月号で詳報する。

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 なお財界さっぽろ公式YouTubeチャンネルでは、像の撤去の模様を動画で公開している。以下からご覧ください。

 ◎財界さっぽろ公式YouTubeチャンネル