北海道陸上競技協会「補助金不正」のウラで“恥ずかしい内紛”が勃発!
きょう6月8日の北海道新聞朝刊で報じられた「北海道陸上競技協会」(道陸協)の傘下組織「小樽後志陸上競技協会」(樽陸協)の補助金流用問題。概略は以下の通りだ。
2014年~19年にかけ、樽陸協が主管として開催されていた「北海道高齢者マラソン大会」については、毎年、北海道社会福祉協議会から開催のための助成金が交付されていた。
助成金の額は毎年28万5000円で、道陸協を経由して樽陸協に大会経費としてそのうち16万円が交付。だがその金は樽陸協の口座ではなく、樽陸協理事長(当時)の個人口座に振り込まれていたのだという。
道高齢者大会は毎年6月の「おたる運河ロードレース」と併催されていたため、大会開催にあたって必要なボランティアの審判員や補助員も共通。その上で、ロードレースの大会経費から1人1000円ずつ、百数十人分が交通費として支出されていた。
一方、道高齢者大会からもロードレースのボランティアに対して交通費として1人2000円が支出された、と決算書上は報告されていた。だが道陸協による調査の結果、何十人分もの額を一括で受領する領収書によってやりとりされた上、実際には支払われていなかったという。ほかにも消耗品費など購入したものの内訳が不明瞭であるなど、協会のルール上認められないものが頻出。そこで浮いた金は裏金として理事長の口座にプールされ、接待費や宿泊費などとして使用された、というものだ。
この件については、昨年末から内部調査が行われていたが、今春まで道陸協役員や理事でも一部の者しか知らされていなかった。それがここにきてなぜ表面化したのか。
実は、内部調査を進めていた道陸協の専務理事と、樽陸協幹部や樽陸協出身で現道陸協会長の八田盛茂氏との間で、激しい対立が起きているのだ。
樽陸協は今春、今回の問題を認定して当事者である理事長が退任。その上で、会計処理に関しては道陸協からの指示があったとして、調査を行った専務理事を含め、道陸協全体の責任であると主張している。
また調査の過程で、専務理事が問題に関与した関係者に対して「度の過ぎた」(樽陸協幹部)厳しい口調で辞任を迫ったことに激しく反発。当初は徹底調査を命じる側だった八田氏も、この件に関するやりとりが断続的に続けられる中で専務理事との間に亀裂が生じた。その後、内部対立はヒートアップし続ける一方、架空の陸協OBの名を騙った“怪文書”まで乱れ飛ぶ有様となった。
互いの関係修復はすでに不可能で、今年は役員改選のタイミングということもあり、八田氏以下の現体制と専務理事サイドが目下、互いの首を取らんとして人事案で真っ向から対立している最中だ。
発売中の月刊財界さっぽろ7月号では、この半年間、揉めに揉めていた道陸協内部の対立について詳報。東京五輪のマラソン開催という世界から注目を集めるこの時期に起きた、“恥ずかしい内紛”の行く末や、如何に。
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