【今月号特選記事】札幌・円山動物園新園長が目指す“動物の幸せ”

 2021年5月5日で70周年を迎えた札幌市円山動物園。現在は新型コロナ感染拡大防止のため、6月20日まで臨時休園している。

 同園は職員の不祥事や度重なる動物の事故死から、体制の見直しや「動物福祉」に力を入れてきた。発売中の財界さっぽろ2021年6月号では、今年度から16代目園長に就任した神賢寿氏に、開園時のエピソードや「100年目」に向けての取り組みを聞いた(2021年4月28日取材)。

神賢寿氏 ©財界さっぽろ

 同園の始まりは1950年、上野から移動動物園を招いたのがきっかけ。そこから「札幌にも動物園を」という気運が高まり、翌年の子どもの日に道内初の動物園が誕生した。当時の名称は「札幌円山児童遊園」。

 開業時はエゾヒグマのつがい、エゾシカ、オオワシの3種4点のみ。オオワシの「バーサン」は厚田で小学生が保護した個体だったという。

 神園長は「53年には、動物園の顔となるアジアゾウの花子がやってきました。桑園駅からは、なんと歩いて円山までやってきました。いまでは決して考えられない光景です」と開園時のエピソードを明かす。

2018年9月オープンの新ゾウ舎 ©財界さっぽろ

 一方、2015年にカワウソ、マレーグマ、キリンなどが相次いで死亡。動物愛護管理法に基づき、市動物管理センターから改善勧告を受ける事態となった。

 当時「旭川市旭山動物園」は行動展示が功を奏し、来園者は200万人超と人気絶頂。「旭山に対し、円山は大丈夫か」とささやかれていた。

「残念ながら事故がきっかけではありますが、現在は獣医師の増員や診療体制の強化などを図り、一層、専門的な目で動物に関わっています。職員が常に“動物の幸せ”を追求する姿勢は、どこの園にも負けない」と神園長は語る。

 本誌6月号ではこのほか動物の増減予定や、国内初の「動物園条例」制定を目指した取り組みについても語っている。また同園提供の秘蔵写真などで振り返る「円山動物園70周年のあしあと」もご覧いただきたい。

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