ミス日本酒2020グランプリは帯広畜産大学現役学生!財界さっぽろ来社で道産酒消費拡大をPR

「獣医師を志し、自分自身も食を守る1人の人間として、日本文化を司る日本酒を世界に発信できるよう努めてまいります」

 日本の伝統ある食文化である「日本酒」を通じ、日本文化の魅力を国内外へ発信するコンテストとして、2013年から始まった「Miss SAKE(ミス日本酒)」。その2020年度全国大会が開かれ、帯広畜産大学(帯広市)在学中の松井詩(まつい・しほり)さんがグランプリを獲得した。

 今回が7回目となる同コンテストでは、応募総数約2000人から札幌市など昨年末までに全国6カ所で開かれた地方大会を経て、20の都道府県からファイナリスト20人が選出された。

 ファイナリストはその後、全18回にわたる「なでしこプログラム」という選考を兼ねた教養講座を受講。途中、新型コロナウイルス感染症の影響で中断もあったが、7月6日に京都市内で最終選考会がおこなわれ、今年度の「Miss SAKE」として松井さんが栄誉に輝いた。

 1995年東京都生まれの松井さんは、現在帯広畜産大学共同獣医学課程の6年生で、将来は獣医師を目指している。

 8月4日、グランプリ受賞の報告と、新型コロナの影響で消費が低迷する道産酒のPRを兼ね、松井さんが財界さっぽろに来社した。

ミス日本酒グランプリの松井詩さん ©財界さっぽろ

 ミス日本酒の最終選考会について、松井さんは「選考過程のなでしこプログラムを通じ、日本の文化や日本酒について勉強させていただきました。とくに印象に残ったのは、日本酒の検定試験を受けた回。1つの銘柄の日本酒を、実際に燗酒や冷酒などさまざまな温度帯で飲み比べ、ほかのアルコール飲料にはない味わいや香りを楽しめる日本酒の魅力を実感できました」と話す。

 日本酒について、プライベートでは「たしなむ程度」という松井さんだが、コンテスト応募のきっかけについては「酵母など、さまざまな微生物の力を使って発酵させてつくる、日本酒の製造過程を学んだことで日本酒に興味を持ちました」と話すなど、獣医師の卵や“リケジョ”としての顔も窺わせる。

最終選考では得意の英語でスピーチし高い評価を受けた ©財界さっぽろ

 一方、同コンテストをはじめとする近年のミスコンは、ファイナリスト同士の交流や教養講座の受講を通じ、外見だけでなく内面も含めた女性のスキルアップを目指すという側面がある。

「新型コロナの影響で、最終選考会は3月の予定から7月に延期されました。でもそれだけ長い期間、学生から社会人までそれぞれ違うバックグラウンドを持つ、他県のファイナリストとともに過ごし、多くの刺激を受けた半年間だったと思います」と松井さんは語る。

 松井さんが通う帯広畜産大学では今夏、上川管内上川町の酒蔵「上川大雪酒造」が新たな酒蔵「碧雲蔵」を学内に建設。すでに試験醸造を終え、今冬から本格操業を開始する。

 松井さんとともに財界さっぽろを訪れた同社社長の塚原敏夫さんは「碧雲蔵は、小樽商科大学、帯広畜産大学、北見工業大学の3大学経営統合の象徴事業として進めているものです。その中で今回、道内から、しかも新しい酒蔵のできる帯畜大の学生がミス日本酒でグランプリを獲得したということは、道内の日本酒業界にとって本当に大きなことです」と手放しで喜ぶ。

 その上で「道産酒の製造量はまだ全国の1%程度で、東京ではまだ『北海道って日本酒造っていたんですね』と言われる程度の知名度しかありません。その北海道からミス日本酒グランプリが誕生したことは、業界にとって本当に心強く、また知名度の向上に大きく貢献してもらえるものと思っています」と期待する。

 一方、新型コロナによって、道産酒の出荷量は4~6月に前年比で5割を切るなど、影響が続いている。

 塚原氏は「この大変な時にミス日本酒グランプリが北海道から出た。このタイミングにも驚いているとともに、業界を挙げて盛り上げていかないといけないなと思っています」と力を込める。

左から(一社)ミス日本酒代表理事の愛葉宣明さん、松井さん、塚原さん、碧雲蔵運営会社「十勝緑丘」常務の森井大輔さん ©財界さっぽろ

 松井さんも「北海道は、北海道愛の強い方がとても多いと感じています。北海道でとれるもの、つくられるものに対する誇りを持って大切にされていることを、私は学生生活を通じて感じていました。北海道の豊かな食と合わせて、北海道産の日本酒も一緒に、ぜひ誇りを感じながら飲んでいただきたいですね」とPRする。

 松井さんは今後1年間、新型コロナの影響も考慮しながら、国内外のさまざまなイベントで「SAKE」のアンバサダーとしてPR活動をおこなっていく。来春、獣医師の国家試験を控えているというが「ミス日本酒としての活動を優先するため、1年間の休学も検討しています」と話している。

ミス日本酒公式サイト