インバウンド増加を推進力に、離島航路の維持に全力
稚内市~利尻・礼文島、江差・せたな町~奥尻島間に定期航路を開設。幅広い世代で快適な船旅ができるように、昨年5月に就航した新造船「カランセ奥尻」は横揺れ防止やバリアフリー化をした。ベビー、キッズ、レディース、ペットなどの専用ルームを設けた。
また、高齢化や人口減少に悩む離島を活性化させるため、インバウンド誘致にも注力。予約発券システムやカード決済などIT化を進め、待合室・船内放送の多言語化やピクトグラム(絵文字)化をおこなった。
さらに、ソフト面でも社員の語学研修のほか、自治体・観光協会と連携して留学生や海外の有名ブロガーの招待、イベントの企画をおこなうなど、船会社の枠を超えて誘致に取り組んだ。
他の観光地に比べ出遅れていた離島のインバウンド戦略だが、こうした積極的な対応の結果、17年上半期のインバウンド客は前年比41・6%増となった。アジアはもちろん、北米や欧州からの利用もあった。
「〝離島の足〟を支えるのが社命。あらゆる手段で航路維持に全力を尽くしていきます」と蔦井孝典社長。