TAKエンジ
「義務がないから設置しない」に警鐘。
ダクト火災を根本から見直す
飲食店や施設などの厨房には、調理時に発生する煙や熱気を屋外へ排出するフードやダクトが設けられている。付着した油汚れに引火すると、大火災となる恐れがある。こうした〝ダクト火災〟の対策を専門に手掛けるのが「TAK(タック)エンジ」だ。北海道と沖縄に拠点を持ち、自動消火装置の設計・施工・販売から保守点検まで一貫して対応している。
同社が扱う「フード・ダクト用簡易自動消火装置」は、ダクト内の温度をセンサーで監視し、火災を感知すると、自動的に起動。消火薬剤をダクトやフード内、厨房機器へ素早く噴射し、初期段階で消火を図るものだ。
ダクト火災は一度発生すると排気経路に沿って延焼する可能性があるため、火災を早期に発見し、被害が広がる前に消火することが重要となる。
川内谷篤社長は「通常の火災とは異なり、排気経路を通じて素早く広がるため、火災規模が拡大しやすい。それだけに、防火対策や初期消火が重要です」と訴える。
特に問題視しているのが消火装置を「設置すれば安心だ」と考えてしまうことだ。
厨房は高温多湿の環境にあるため、装置の部品も時間の経過とともに劣化する。いざ火災が発生した際に確実に作動させるには、定期的な点検と、経年劣化した部品を適切な時期に交換することが欠かせない。
さらに、「保守点検は施工経験を持つ専門業者が担うべき」とも考えている。
装置の構造を十分に理解しないまま点検を行えば、部品の劣化を見落とし誤報や事故につながる可能性がある。同社では、設計・施工の段階から装置を熟知したスタッフが、設置後の保守まで対応することで、継続して正常に機能する状態を維持している。
また、川内谷社長は既存の設置基準についても課題を指摘する。法令では、多量の火気を使用する一定規模以上の施設が「設置義務」、超高層建築物は「行政指導」、それ以外は「任意」の3段階になっている。
「行政指導は義務ではないと安易に考えないでほしい。老人ホームや障害者施設など避難に時間を要する施設や大型商業施設など不特定多数が集まる場所では、万が一の際の被害を考え、義務化を進めるべきです」(川内谷社長)。
海外ではこうしたリスク低減を保険料率に反映する動きもあり、日本でも参考にすべき考え方だと訴えている。
「未導入の丘珠空港を筆頭に、道内空港、札幌駅以外の主要ターミナル駅、地下鉄大通駅周辺の行政指導未実施の超高層建築物など、多くの人の集まりる場所には積極的に設置すべきです。さらに、正常に作動する状態を維持することを含めて防火対策を講じてほしい」と川内谷社長。