ほっかいどうデータベース

AXel Ignition[アクセルイグニション]

営業利益の向上を表した図。業種を問わず効果を発揮

PCが苦手。AIは自分の仕事には使えない。そんな常識を覆す経営者のための自律型AI

意思決定に迫られる経営者の生産性を劇的に変える――。
「RSKGOAT(ラスクゴウト)」が開発した経営者特化型AIパッケージ
「AXel Ignition(アクセルイグニション)」が話題だ。
自社の導入で人件費7000万円を削減した
実績をもとに8月に提供を開始。
企業のビジネスモデルを劇的に変革する画期的な新サービスに迫る。

自立型AIで年間7000万円を削減

「RSKGOAT(本社・札幌市、水澤堅一郎社長)」は、2023年設立のAIデザイン・開発企業。親会社である「ラスク」は、大手SIerとの取引をはじめ、SaaSやシステム開発の請負など、幅広いIT事業を展開。その基盤とネットワークを生かし、RSKGOATではAI開発に特化している。

 RSKGOATは設立間もないが、実績は群を抜く。システム開発経験のない非エンジニアの水澤社長が1人で、プラットフォーム開発などのグローバル案件を手がけ、昨年度は売上高32億円を計上した。

 また、ラスクは東京商工リサーチの調査で、上位8%に相当する評価点60点を獲得するなど、高い健全性と信用力を誇る。

 RSKGOATでは今年、経営者が抱える膨大な実務と意思決定を劇的に効率化するAI導入パッケージ「AXel Ignition(アクセルイグニション)」を開発。実際にラスクがこのAIサービスを使い圧倒的な生産性の高さを証明した事例を紹介したい。

 かつてラスクでは、総務をはじめとしたバックオフィス業務を10人で担っていた。アクセルイグニションを導入後は、これらの業務を1人で回す体制を構築。バックオフィス全体では100のAIエージェントが稼働しており、管理部門における年間約7000万円の人件費を削減した。

 非エンジニアでありながら、AIエージェントを稼働させて管理業務への指示のほぼ全てを1人で担っている新岡裕司取締役は、1人で月間40人規模の開発案件を担当する体制も確立。さらに、細かな指示をほとんど出さずに、AIが自律的に業務を遂行する組織体制も構築している。

 水澤社長は「特筆すべきは、これが単なる人員削減ではなく、バックオフィスの人材を開発や営業部門などへシフトさせて、売上を生み出す原資へと最適化できた点にある」と語る。

 こうした自社での活用実績を経て、8月から利用対象を経営者層に絞ったサービスの提供が開始された。

手厚い伴走支援で実用化を約束

 水澤社長は「経営判断の壁打ち、資金繰り、交渉など、あらゆる重要なタスクが経営トップに集中している現状は、企業の成長にとって最大のボトルネックと言えます。まずは経営者個人の生産性を変える必要がある」と語る。

 導入は極めてスピーディーで、約3時間で24の領域(役割)を持つそれぞれのAIエージェントをPC上に構築し、稼働させる。

 領域は、経営企画や秘書、データ分析や財務・資金繰り・経理、営業、市場リサーチ、交渉戦略、広報、採用・労務・法務といったバックオフィス関連までを網羅している。

 水澤社長は「例えると、各部門の優秀な専任者が24人いて、いつでも手元に控えているイメージです。大まかな方針を伝えるだけで、AIエージェントはその意図を汲み取り、24時間いつでも自律的に実務を完遂してくれます」と語る。

 さらに、これらの標準機能に加え、18の領域から最大8つを追加費用無しで選択できるほか、導入先のビジネスモデルや組織体制に応じた独自の領域もカスタマイズし導入することができる。

 実務における操作性も極めて高い。日々使用する経営者が「どのエージェントに頼むか」を都度指定する必要はない。指示はテキストと音声入力に対応し、簡単に扱うことができる。 

 一般的な生成AIと同サービスの違いは、その「自律性」の高さにある。 

 従来の生成AIは、人間が投げかけた質問や指示に対して一問一答で回答する「指示応答型」のシステムだ。これに対し、アクセルイグニッションは、最終的な目標(ゴール)を伝えるだけで完了までの手順を自ら計画し、自律的にタスクを遂行・完結させる。

 システムを動かすベースとして、生成AIの「Claude(クロード)」を採用。AIが指示を最適なエージェントへ振り分ける設計となっている。質問された事案に答えるだけで終わるか、自ら考えて最後まで行動指針を提示できるかという点が最大の違いだ。 

 セキュリティー対策も万全だ。読ませたくない機密情報や社内規定上の制約などを導入前にヒアリング。規定と運用の線引きを最初に合意した上でエージェントを構築する。

 また、意図せずにエージェントが対外的な対応をしないかという不安も不要だ。初期設定では外部へ発信する情報はすべて「利用者が最終確認する」という設計を徹底。メール送信やプレスリリースなどの対外公開といった操作は、経営者自身が承認・実行する前提で構成されているため、エージェントは下書き作成までを行う。

 導入後は1カ月の定着フォローを実施。専任コンサルタントが利用状況を週次でチェックし、実務に合わせてエージェントの思考設計の微調整や利用におけるアドバイスを行うほか、業務効率化を可視化した「ビフォーアフター効果レポート」を作成して提出するため、ITやAIに詳しくない経営者でも実用化できる伴走体制を構築している。

 システムの料金は、初期費用50万円(税別・1人利用、3人100万円、5人120万円プランも設定)の買い切り型で、個別のカスタマイズによって変動することはない。月額費用は、Claudeの利用料(月1万5000円~6万円目安)のみとなっている。 

 水澤社長は「自律型のAIエージェントを自社でゼロから構築しようとした場合、通常は数億円規模の投資を要します。それを考慮すると費用対効果は極めて高いといえます」と語る。

アレルギーを排しAI駆動型組織へ

 同社が目指すのは、形骸化したDXの整備ではなく、自律型AIエージェントの普及により、企業のビジネスモデルそのものを劇的に変革・加速させることだ。その志があるからこそ、追求するのは高額なコンサルティング料を搾取するようなビジネスではない。

「現在のAIコンサル業界は、ITリテラシーが低い経営者や企業をだますような不誠実な業者が散見されます。こうした業界への不信感や経営者が抱く〝AIアレルギー〟を完全に払拭しなければ、企業が最先端のテクノロジーの恩恵を享受する未来は訪れないと考えています。当社はこれを本気で変えていきます」と水澤社長は語る。

 実際にサービスの効果を実感してもらうため、無料体験会を実施している。

 水澤社長は「まずは体験してもらうことが大事。実際にデモ画面を目にした方は『裏で誰か操作しているのではないか』と驚くケースは少なくありません。オンライン体験に対応していますが、可能であれば直接確認していただきたい。お待ちしています」と語る。

 この〝成果先出し〟のアプローチを貫く理由は、同社と顧客の両者にとって極めて合理的で持続可能な提携ロードマップが敷かれているからだ。

 導入し実用価値を感じた経営者からは「業務プロセス全体を自律化・自動化したい」「全社的にAIを導入したい」など、社内業務の内製化や本格的な開発ニーズが芽生えてくる。

 同社ではこうしたニーズに応えるため月額制・伴走型のAI導入のコンサルティングサービスも提供している。企業が使うAIツールの選定をはじめ、プロンプト(指示文)の提供、利用ガイドラインの策定など、組織におけるAI導入のハードルを下げることを目的としている。

 まずは経営者1人から始め成果を出した上で、組織全体へのAI活用を目指す。この段階的なアプローチがAIアレルギーを抱える企業を〝AI駆動型組織〟へと変革させる。これが同社が目指すビジョンでもある。

「AIは良くわからない、うちには関係ないと考える経営者にこそ、この自律柄エージェントの技術に触れてほしい。いち早く一歩を踏み出した企業から、次世代の経営スタイルを体現していくはずです。まずは道内企業のサポートに努め、そこから全国展開をしていきたいですね」と水澤社長。

PC操作が不得手でも、売上アップを実現した事例
(みずさわ・けんいちろう)余市郡仁木町出身。2020年ラスク、23年にRSKGOATを創業。ラスクは現在、資本金1億円、社員100人超、国内外13カ所に拠点を構える。