EZOWL
〝築古〟物件を再生し、収益力と資産価値の向上を両立
築年数が経過した賃貸マンションでは、空室対策が課題となる一方、全面的なリフォームには多額の費用がかかる。対策として有効なのが、物件の特性を見極め、必要な部分をリフォームし収益力と競争力を高めるバリューアップだ。
「EZOWL(エゾール)」は、築古物件のバリューアップを手掛ける設計コンサル企業。立地や周辺の競合物件、入居者層などを踏まえて改修内容を設計する。単に新しい設備を取り入れるのではなく、入居者が物件を選ぶ際の心理に着目。入居者の印象に残る部分とそうではない部分でリフォーム箇所の優先順位を明確にしている。
鈴木勝大社長は「玄関からリビングにかけての第一印象づくりに力を入れています。内覧では玄関を開けて室内に入った瞬間の印象が、入居の判断を大きく左右します。〝ここなら住めそう〟と思ってもらえれば、すべてを新しくする必要はありません」と語る。
一方で、見栄えだけでなく、入居後に毎日使う設備には、耐久性やメンテナンス性を重視。電気スイッチや蛇口、建具などは、デザイン性ではなく耐久性やランニングコストを考慮して選定している。
バリューアップ事例の1つが、札幌市内の築40年越え、100戸以上を擁するSRC造マンションだ。空室率82%の不人気物件だったが、1室をモデルルームとして改修し、入居希望者の反応を見ながら他の住戸へ展開。その部屋の成約をきっかけに入居が増えていき、最終的に満室を実現。さらに家賃を引き上げ、利回りも大きく改善させた。
「1室当たりの費用は、居室の広さや工事内容にもよりますが、100~200万円程度です。改修を必要な部分に絞ることで、オーナー様の投資を抑えています」と鈴木社長。
また、賃貸マンションに限らず、企業からの相談にも対応し、建物の特性に応じたバリューアップも手掛けている。今年7月には、札幌市中央区の旧札幌プリンスホテル事務所棟をオフィスビル「MOMENT ODORI(モーメント大通)」へ再生した。インテリアメーカーの「サンゲツ」(本社・愛知県)と協業し、内装材や空間デザインを取り入れて刷新した。
鈴木社長は「バリューアップで収益力を高めるだけでなく、付加価値を付けて売却することもできます。物件の資産価値を上げてオーナー様の選択肢を広げます」と語る。