北海道武蔵女子大学・北海道武蔵女子短期大学
短大の伝統"就職の武蔵"を4年制大学にも継承していく
――入学状況は。
町野 全国的に短大が苦戦しておりますが、昨年とほぼ同数で健闘。24年に経済学科を改組して設置した大学の経営学部経営学科は入学者が増えており堅調です。
――直近の就職状況について。
町野 短大の数字になりますが、2026年3月卒業生の就職決定率は99・0%となりました。開学以来、最高の数字となっております。前年も98・1%でしたので、高水準を維持できていると考えています。また、教育情報に特化したニュースサイト「大学通信オンライン」の「高校教員が評価する就職に力を入れている大学ランキング」によれば、女子大学で全国2位という高い評価をいただいています。エアライン、金融、ホテル、公務員、商社、一般企業など就職先は非常に幅広く、学生の希望や適性に応じた進路選択ができることが本学の強みです。道内では就職に強い大学として認知されてきた手応えがあります。
――〝就職の武蔵〟と呼ばれる理由は。
町野 一番は学生と教職員の距離の近さだと思います。気軽に相談できる環境がありますし、最後まであきらめずに就職活動を続けている2〜3%の学生さんをどう支えるかを非常に重視しています。進路に悩む学生にも丁寧に伴走することで、高い就職実績につながっています。
――早い段階から進路支援を行っているそうですね。
町野 はい。短大では、1年生の4月のオリエンテーションから進路ガイダンスを実施しています。就職だけでなく、編入や留学など多様な選択肢を早い段階で提示しています。大学では今年から「ムサシリンク」という取り組みも始めました。第1期生が中心となって立ち上げたもので、就職活動という枠組みにとらわれず、学生と企業がより自由に交流できる場を目指した新しいキャリアイベントです。学生自身が企業に向けてプレゼンテーションを行うなど、企業との交流を主体的に企画して運営しています。
また、短大時代から培ってきた礼節やマナー教育も大学に継承しています。社会人基礎力を重視した教育が就職力の土台になっています。
――資格取得支援については。
町野 本学は資格偏重ではありませんが、希望する学生への支援は手厚く行っています。秘書検定講座など授業と連携した支援を進めており、今年は難関の秘書検定1級に2人の学生が合格しました。図書館司書課程、ビジネス教養課程といった伝統的な付設課程に加え、今年度から英語を体系的に学べる環境を整えました。
――プラスアルファの思考力や行動力をどのように養っていますか。
町野 短大と大学共にPBL(課題解決型学習)を体系的に設計している点です。特に大学は1年前期から2年前期にかけて「リーダーシップ開発・応用演習」を配置し、心理、デザイン、経営を連続的に学ぶ必修カリキュラムにしています。さらにAIを使いこなす能力など現代社会に必要な視点・能力を段階的に養います。
短大では、今年からはイングリッシュ・スタディーズ・プログラムがスタートしています。旧英文学科の流れを踏襲し、2年間でエアライン業界やホテル業界で使える英語まで高めていくカリキュラムです。
――地域連携にも積極的です。
町野 大学の専門ゼミでは全教員が企業や自治体と連携し、実社会の課題を卒業研究へつなげています。例えば、北海道伊達市の特産品である伊達野菜を活用した新メニューの考案や、有名ブランドと連携したイベントの開催など多様な取り組みが進行しています。短大でも大和ハウスプレミストドームやレバンガ北海道と連携した課題解決型学習を展開しています。
――今後予定している新たな取り組みは。
町野 高校生を対象にしたイベントを予定しています。6月には本学の学生がプランナーを担う学内模擬結婚式を予定しています。高校生はもちろん保護者にも来場いただき、実践的な学びを体感してもらう企画です。
――女子学生の目線を生かし、企業との連携も拡大しています。
町野 8月のオープンキャンパスでは自動車販売企業と連携します。自動車を活用して女子大生目線で観光ルートを考案し、高校生や親御さんを札幌市内を案内する企画も進めています。
さらに、アイスホッケーチームレッドイーグルス北海道とは女子目線で商品開発やキッチンカー展開などを検討しています。
――来年は創立60周年です。
町野 4年制大学は4期生が入学して完成します。卒業生の活躍実績を含め、「就職に強い武蔵」というブランドを大学にもつなげていきたい。学生参加型の実践教育と地域連携をさらに発展させながら、北海道全体を元気にする〝新しい武蔵〟の姿を発信していきます。