ほっかいどうデータベース

藤女子大学

名畑 嘉則 学長
(なばた・よしのり)1988年北海道大学大学院文学研究科修士課程(東洋哲学専攻)修了、修士(文学)。同大学助手を経て、94年藤女子大学に就職。文学部長などを経て、2026年3月から現職。

100年の伝統と改革を両輪に、社会で活躍できる女性へ

――3月から学長に就任されました。

名畑 18歳人口の減少が進む中、大学を取り巻く環境は年々厳しさを増しています。こうした中、最優先事項は学生募集の強化と捉えています。本学には100年の歴史と伝統があり、教育内容にも多くの強みがありますが、一方で、ボトルネックとなっているのはそれらが十分に伝わっていないことです。そこで情報発信の強化に着手しました。

――具体的には。

名畑 4月に広報専属のワーキンググループを立ち上げました。女性教員を中心に構成し、学生にも参加してもらっています。高校生に最も近い感覚を持っているのは学生です。その視点を生かすことで、より共感を得られる発信につなげたいと考えています。

――どのような施策を行っていくのでしょうか。

名畑 まずは大学公式サイトの見直しを進めています。情報の整理や導線を改善し、本学の特色がより伝わる構成にしていきます。

また、公式サイトの改修には一定の時間を要するため、並行してSNSを活用した情報発信を進めています。今後は研究紹介や教員インタビューの動画配信など、コンテンツを拡充していきます。教員の専門分野や教育に対する思いを発信することで、高校生や保護者に学びの魅力を具体的に感じてもらいたいと考えています。

――貴学ならではの特色について教えてください。

名畑 やはり女子大であることです。日本のジェンダーギャップは国際的に見ても依然として大きく、北海道でも女性の管理職比率や経済分野での活躍にはまだまだ課題があります。

そうした中で、女性が安心して学び、主体的にリーダーシップを発揮できる環境には大きな意義があると考えています。学内には女性の教員や職員が多いため、学生にとって身近なロールモデルとなっています。将来の働き方や生き方を具体的に描きやすい点も本学の強みです。

――学びの面で〝プラスアルファ〟はありますか。

名畑 文学部を例に挙げると、学科間の垣根が低く、在籍学科以外の授業も履修しやすい仕組みになっています。専門分野に加えて幅広い知識を身に付けられることは、大きな特徴と言えます。

英語文化学科では英語を集中的に学ぶプログラムを用意しており、本学科の生徒の3割弱が留学しています。

また、日本語・日本文学科では、書道科の教員免許の取得が可能です。これは札幌圏の大学では本学のみの特色です。

さらに、本学ではほとんどの学生が卒業論文に取り組みます。資料を読み、考えを整理し、自分の言葉で表現する経験を通じて、社会で求められる文章力や論理的思考力を養います。

――課外活動にも特徴がありますね。

名畑 学生が主体となって学会活動や、学科・ゼミ単位のイベント企画・運営を行うなど、実践的な活動が盛んです。学習支援に携わる「スチューデントアシスタント(SA)」などの学内業務を行う学生も多く、こうした経験がコミュニケーション能力やリーダーシップの育成につながっています。

――就職も好調です。

名畑 ありがたいことに昔から〝就職の藤〟と言われるように、就職サポートへの期待がさらに高まっていると感じています。

今年3月卒業生の就職率は、英語文化学科94・1%、日本語・日本文学科95・5%、文化総合学科98・4%、子ども教育学科100%となりました。

――来年度より学びの場を「北16条キャンパス」に統合します。

名畑「花川キャンパス」にあるウェルビーイング学部を移し、大学機能の集約を進めます。人的リソースを集中させることで、運営の効率化と学生支援の強化を両立させる狙いです。

学生にとっては、学部や学科を越えた交流が活発になり、多様な価値観に触れながら学べる環境が整います。地下鉄南北線と東豊線が徒歩圏内なので、交通アクセスの面でも利便性が向上します。

――集約後の花川キャンパスの活用について、どのようにお考えですか。

名畑 市況や大学を取り巻く状況を見極めながら、継続的な活用も含めて幅広く検討していく考えです。今後の状況を踏まえて慎重に判断していきます。

――今後のビジョンをお聞かせください。

名畑 道内における女性の大学進学率向上に貢献したいですね。これは私個人の考えですが、社会人向け講座や通信制の開設など、新たな学びの機会の提供があっても良いと考えています。年齢やライフステージを問わず多くの女性に学びの場を提供し、本学で培った知識や経験を生かして、社会のさまざまな場面で活躍できる人材を育てていきたいですね。

2027年度より全ての学生の学びを札幌市に集結
北16条キャンパス。校舎左側がチャペル