【どうきゆう】ホノルルの大繁盛店を移転拡張「とんかつ玉藤」新店オープン
どうきゆう(本社・札幌市、中西泰司社長)が運営する「とんかつ玉藤」カパフル店(米国ハワイ州ホノルル市)が10年目に入り、店舗を約2倍に拡張して移転オープンした。現地で〝ミラクルショップ〟と称される繁盛店の詳細をリポートする。
店舗面積も席数も拡大してリニューアル
「とんかつ玉藤」カパフル店は、2017年2月に米国ハワイ州オアフ島ホノルル市、ワイキキビーチにほど近いカパフル通りに面した商業ビル、ヒーヒンプラザに開業。3年間で9割の店がなくなると言われる激戦地のホノルルにおいて、連日行列ができる大繁盛店として人気を獲得。現地では予約が取れない〝ミラクルショップ〟と呼ばれている。
10年目に突入した同店が、4月16日(現地時間)に同じビルの2階から1階に移転。カウンター12、テーブル60の計72席に拡張し新装オープンした。キャパシティーは従来のほぼ2倍の規模だ。
もちろん、玉藤の伝統の味にも徹底的にこだわった。日本国内の店と寸分たがわぬ料理と雰囲気を提供するため、熱伝導に優れた直径60㌢の大型銅鍋や什器などの調理設備、カウンターや内装などの建築部材の一切を日本からコンテナ船で輸送。熱々のとんかつが出来上がる流れや職人の華麗な手さばきが見られるオープンキッチンも国内同様に採用。調理のライブ感も楽しめる趣向だ。
中西泰司社長は「10年間の勢いをそのままに、新たなステージへと駆け上がるためのリニューアルです。新店舗のキーワードは『ライブハウス玉藤』。ハワイで一番の超繁盛店を作っていきたい」と抱負を語る。
とんかつ玉藤は現在、道内に13店舗、海外1店舗。運営する「どうきゆう」は1963年創業の産業給食の道内最大手で、受託給食事業では、ラピダスなど企業に給食を提供するほか、パスタ専門店「チロリン村」(6店舗)やフランチャイズの「まいどおおきに食堂」などの外食事業を展開している。
同社として海外初出店となった玉藤カパフル店は14年頃に計画。「欧米の日本食ブームに加え、当時はハワイに本格的なとんかつを提供する店がなかった」(中西社長)ことで出店を決意した。言語や文化、法律などクリアするべき問題は多かったが、15年4月にホノルルに現地法人「DOKYU USA」を設立。現地の弁護士や金融機関といった実務にかかわる人脈はもちろん、官庁との関係構築など人脈づくりにも奔走し、カパフル店の開店にこぎつけた。以来、行列の途切れない繁盛店として地元住民に支持され、札幌の大型店を凌駕する客数を獲得してきた。
レセプションに錚々たるメンバーが集結
同社では、オープンを前にして14、15日にレセプションを開催した。現地のVIPやブレーン、北海道人会ら招待客約100人の中には、ハワイ州知事やホノルル市長の姿も。一飲食店の開業に両者が顔を揃えるのは異例中の異例だ。
祝辞を述べたジョシュ・グリーンハワイ州知事は「私たちのためにこのような美しいレストランを用意していただき、ありがとうございます。驚くほどおいしい料理で、これほどの成功を納めた要因は簡単にわかります。新型コロナが流行する直前の17年にハワイに来て、繁盛店に育てたことは非常に意義深いこと。いかに品質が優れているかを証明しています。スタッフも本当に素晴らしく、個人的にもここに足を運んでいます」と祝辞を贈った。
また、リック・ブランジアーディ市長は「知事と私が同じ場所に居合わせることは滅多になく、今夜は彼が私を夕食に招待してくれたのだと思った(笑)。ホノルルに馴染みのある人なら誰でも知っていると思いますが、この場所は単なる食事の場所にとどまらず、世界的都市ホノルルの地位を向上させる場にもなっています。ここは北海道以外で唯一の店舗だと伺っています。今回、店舗が広くなったのは、私たちの街への真の贈り物でもあります。中西さんのビジョンや能力による貢献に感謝しています」と最大の賛辞を贈った。
また、ホノルルに本社を置く「セントラルパシフィックバンク」のデービッド・モリモト副会長兼COOは「日本人の心、アイデア、接客におけるコミュニケーションスキル、サービス精神、従業員の姿勢、すべてが素晴らしい。私自身も予約を入れたのですが、9カ月待たされた経験がある。席数が増えたので、予約が取りやすくなってほしい」と冗談を交えて挨拶をした。
乾杯の音頭を任されたハワイ州政府産業経済開発観光局のジェームス・クナネ・トキオカ局長は「味はもちろん、接客やサービスなどすべてのクオリティが高い。もし私の願いが叶うならハワイで2号店を出してほしい。できればネイバーアイランド(オアフ島以外の島々のこと)にも出店してほしい」と親密な間柄ならではの要望も交えてコメントした。
さらに10年前の開業時からサポートを行ってきた同局ビジネス開発&支援部のデニス・T ・リン行政官は「ナカニシがどこに店舗を出したらいいのかサポートしてほしいと、局に駆け込んできたのが始まり。希望はワイキキではなく、地元住民を対象にできる場所ということでカパフルになったのが成功だった。地元では『ミラクルショップ(奇跡の店)』や『ベストとんかつ』と呼ばれている。これからもあらゆる面でサポートしたい」と語った。
当日は地元テレビ番組「ハワイ・NEWS NOW」も取材に入り地元での関心度の高さを窺い知ることができる。オープン日に続き週末には1日280人程が来店。店舗が広くなったにもかかわらず、ランチやディナータイムには行列ができ、2〜3時間待ちの状態となった。
繁盛店の秘密を中西社長は「商品は簡単にコピーされ差別化は難しい時代です。現にハワイにも多くのとんかつ店ができました。しかし玉藤の繁盛の秘密はプロセス(製造過程)にあり、そのプロセスをコピーできた店は1軒もない。商品のコピーはできるが繁盛店をコピーすることはできないからです。提供するとんかつの品質はもちろん、素材や職人の手元、厨房、働くスタッフを全てのお客様から見えるオープンサイド戦略により、店の活力が伝わり共感を得られるのだと思います。お客様の本物への強い期待に応える『ライブハウス玉藤』を完成させるには、とんかつというアウトプットに、この製造過程と活力(にぎわい)を合わせること。今後も玉藤の価値を追求し、ハワイと北海道を盛り上げていきたい」と意欲的に語った。

(左)祝辞を述べるグリーンハワイ州知事(右)ブランジアーディホノルル市長

(左)「セントラルパシフィックバンク」のデービッド・モリモト副会長兼COO
(右)州政府産業経済開発観光局のジェームス・クナネ・トキオカ局長(左)とデニス・T ・リン行政官

レセプションにはハワイの北海道人会のメンバーも訪れた