3eee(スリー)
人材戦略の垂直統合モデルで国境を越えた課題を解決
2010年創業の「3eee」は介護、障がい福祉、保育、学童、人材紹介、システム開発、飲食など多様な事業チャネルを展開し、社会課題の解決に挑むソーシャルベンチャー企業だ。
自社の運営ノウハウを生かしながら、24年には同規模の介護事業者をM&Aにより統合。事業規模の拡大と経営基盤の安定化を図り、現在では事業所105カ所、従業員500人体制の企業へと成長した。
近年は、企業の海外人材紹介・受け入れ支援にも注力。出入国在留管理庁の認定を受けた登録支援機関として、各種手続きに加え、教育や生活支援、マッチングまでを一貫して担う体制を構築。建設・観光・飲食・自動車整備など幅広い業種に特定技能外国人を紹介している。
25年12月には、網走市の「網走バス」と連携し、インドネシア出身ドライバーの紹介・採用支援を開始。26年4月には道内初のインドネシア人運転手が誕生し、人手不足が深刻な地域交通インフラの維持に貢献する取り組みとして注目を集めている。
さらに、インドネシア・スマラン市で人材育成のための研修センターの設立を進めており、現地法人と業務提携し、日本語学校の開設も間近に控える。これにより一定の日本語レベルに達した人材を安定的に供給できる体制を整える。
田中紀雄社長は、「私たちが目指す現地法人から日本語学校、登録支援機関、介護サービスまでを一気通貫で担う〝垂直統合モデル〟の構築は、全国的にも珍しい取り組みですが、これにより人材の安定供給とスキル向上を実現できます。日本では労働力不足が深刻化する一方、東南アジア各国では急激な人口増加と高齢化が進んでいる。日本で育成した人材が母国へ帰国後、その技術を活かす人材還流スキームを確立し、日本とインドネシア両国における人材価値の最大化に貢献したい」と語る。
また、自社の人材戦略として、VTO(バーチャル・チーム・アウトソーシング)という独自コンセプトのもと、クラウド上でプロジェクト単位のチームを組み、業務プロセス全体を委託することで効率化を図る「クラウド人材」の活用を推進。専門スキルを持つ外部人材を登用し、場所に依存しない柔軟かつ高効率な働き方を実現。採用や営業など社内業務の一翼を担う。
田中社長は、「優れた人材や才能に国境はありません。さまざまな試みを実践しながら、北海道発のビジネスモデルとして、国内外の課題解決にも果敢に取り組み、地域に貢献していきたい」と力を込める。