セブンが持続可能な店舗運営を目指し省人化推進
「セブン‐イレブン・ジャパン」(本社・東京都千代田区、阿久津知洋社長)は、9月からロボットなどを活用した店舗業務の省人化テストを開始した。業務効率化による持続可能な店舗運営と魅力的な店づくりを目指している。
テストが行われているのは東京都荒川区の「セブン‐イレブン荒川西尾久7丁目店」。店舗業務の省人化、省力化を目的に、ロボットやアバターによる接客システムなどが導入され、効果が検証されている。
人に代わってロボットなどで対応できる店舗業務が対象で、品出しや清掃、接客をサポートする。
コンビニエンスストア業界では、人手不足の解消や業務効率化、従業員の負担軽減といった課題解決に向けた取り組みが急務となっている。
セブン‐イレブン・ジャパンでは店舗運営を取り巻く環境の変化に対応するため、これまでもセルフレジの導入、AIカメラやセンサー技術の活用などの省人化・省力化に資する設備を導入してきた。
今回の試験運用について同社では「近年のロボット技術を中心としたテクノロジーの発達や発展に鑑み、人に代わってロボットやアバターを活用して対応できる店舗業務の可能性の検証が目的」(広報センター)としている。
導入した省人化・省力化のシステムは主に3つ。
一つは、ウォークイン冷蔵庫内に入って行うソフトドリンクや酒売り場への品出し作業の一部をロボットがサポートするもの。これにより従業員は商品拡販や売場管理などの業務に専念することができるようになった。
また、店舗の床掃除や窓ガラス拭きをロボットが行っている。
床清掃ロボットは、1日2回以上を目安に店内を自動で清掃。より清潔な店舗を目指す。
窓拭きロボットは、手が届きにくい高い所の窓ガラス掃除も可能で、従業員が窓拭きに費やす時間が大幅に削減された。
さらに、アバターを通じた接客業務サポートも実施している。店舗と離れた場所からの遠隔接客が可能で、客の問い合わせに適切に対処できるほか、多言語での対応も可能。テストでは1人の従業員が最大3台のアバターを運用するなど、大幅な業務効率化が図られている。
同社では「これからも加盟店の業務効率を改善する取り組みを行うとともに、お客様にとってお買い物しやすい店舗づくりを目指してまいります」としており、今後は一般的な立地や商圏、レイアウトの既存店への導入も見据え、住宅地に位置する通常レイアウトの店舗でテストを実施する予定。新たなロボットや設備の導入も検討している。
省人化システムの活用によって店舗業務の工数を減らして作業割当の最適化を図り、店舗の運営経費を改善するとともに、「セブンカフェ ベーカリー」をはじめとした新たなカウンター商品の拡販や売場管理の時間を創出して、消費者にとって、より魅力的な店づくりを目指している。