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ベンチャーパートナーズグループ

札幌市中央区の本社ビル

自身の経験も生かした道内トップクラスの経営支援体制

「企業は社長の資質が99%と言われます。中でも優秀な経営者は特に数字に対して良い意味で臆病で敏感な方が多い。気質のある経営者を育て支えていきたい」と語るのがベンチャーパートナーズグループの東岳夫代表。

 2003年に夫婦2人で立ちあげた税理士事務所は、いまやスタッフ数が200人近くとなり、従業員数では道内2番目の規模に成長した。北海道を代表するコンサルティングファームだ。

 グループは「ベンチャーパートナーズ総合会計事務所」のほか、複数の士業事務所などで構成。特に起業支援を得意としており札幌2拠点のほか仙台、東京、松本、福岡の計6拠点を有し、累計起業支援数1万2000件を超える。

 自身はサラリーマンを経て税理士資格を取得、起業した経緯があり、実践的なアドバイスとサービスが強みだ。

 東代表は「多くの税理士事務所は小規模です。一方、会社経営はライバルに打ち勝ち、売り上げを伸ばし、規模を拡大することが重要です。つまり私たちも儲からなければ説得力がないと考えている。常にクライアントの手本になるような経営を意識してきました」と振り返る。

 利益を確保しつつ事業を拡大するため、東代表以外にも有資格者を中心に優秀な人材が多く勤務している。各企業が人手不足で苦戦するなか、主に即戦力を採用するのが特徴だ。

「私自身が理想と思う労働環境を具現化している。特に目の前の事案に対して『自分で考え取り組める環境』が人を大きく成長させる。業種柄、税理士法などの完全な遵守が前提ではあるが、仕事に関しては『自己裁量の大きさ』がスタッフの『働く喜び』の最大化に直結する。事実、弊社の離職率も低い」(東代表)。

 この事実を裏付けるように、業容は拡大を続けており、今年度の契約件数も過去最高のペースで推移している。「社員による出店希望を取り入れ、昨年には福岡事務所を開設しています」と東代表。

 近年は、起業支援のみならずさまざまな経営支援サービスを提供。他の税理士から乗り換えや紹介も増えている。グループのコンサル会社「サムライナレッジ」も好調だ。成熟期の中堅企業向けに事業計画策定支援と補助金コンサルティングを提供する会社で、27年以降の株式上場を目標に掲げている。

 こうした取り組みから今年3月には北洋銀行と環境や社会、経済課題の解決を目指す企業が対象の融資「ポジティブインパクトファイナンス」の契約を締結した。

 東代表は「我々の勝ちパターンはかなりの精度で仕組み化されてきている。今後は従業員300人体制が目標です。多くのクライアントとともにさらなる成長を目指していく」と語る。

東岳夫代表