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ダットジャパン

復刻版の自社開発ゲーム「エアホッケー」のキャラクター「トロゾウ」を持つ社員

設立40周年。IT技術で現場を支え社会課題を解決

 設立40周年を迎えた「ダットジャパン」は、ソフトウェア開発とBPO(業務受託サービス)事業を2本柱に、社会課題の解決と企業の事業発展を支援する札幌発のIT企業だ。1986年にゲームソフト開発会社として設立。その後、建設テックの先駆けとして、建設・土木業界向けのソフトウェア開発へと事業転換し業容を拡大。2023年には、総合商社出身の佐脇由宏社長が事業承継し、〝成長〟をキーワードに新たな経営体制となっている。

 同社の特徴は、主要な取引先を大手企業が占めている点で、スーパーゼネコンの清水建設(本社・東京都中央区)、空調設備工事大手の新日本空調(本社・東京都中央区)、家電販売修理大手の東芝コンシューママーケティング(本社・神奈川県川崎市)、地元では北海道旅客鉄道(本社・札幌市中央区)と日本を代表する錚々たる企業が名を連ねる。

 代表的な製品が、導入実績で1万社を超える「現場編集長CALSMASTER」だ。工事写真や施工データの整理分類を自動化し、報告書や電子納品データを簡単に作成するもので、同製品をきっかけに顧客企業毎の受託開発案件へと発展するケースが多い。

 昨年は、他社との連携を強化。建設向けDXのリーディングカンパニーであるスパイダープラス(本社・東京都港区)と業務提携し、建設現場のDX化を加速させている。

 BPO事業でも豊富な実績を誇る。東芝コンシューママーケティングの家電製品のコールセンター業務や、新日本空調のバックオフィス業務を手掛け、顧客の業務効率化と業務負担軽減に取り組む。BPOの課題をITで解決する「BPO×システム開発」の独自手法は他社に無いユニークな取り組みだ。

 また、海外市場の開拓を視野に、昨年2月にはフィリピンのソフトウェア開発企業を買収。海外のオフショア拠点を活用し、高品質かつ低コスト化を実現する。

 これらの独自路線が成長の原動力となり、現体制となった直近2年間で全社の売上高は1・5倍に増加。今後も更なる成長が見込まれている。 

「当社の強みは、柔軟で粘り強いエンジニアと、コミットメントの高いコールセンター・バックオフィススタッフです。対象とする事業領域を、建設・設備を含む社会インフラ、人手不足、健康・医療、地方活性化の4つに絞り、各領域の深掘りや領域間の掛け合わせで独自性を高め、デジタル技術で社会課題の解決に挑み続けます」と佐脇社長。

 

佐脇由宏社長
関連会社「スマートリンク北海道」では、スマート農業の普及に取り組んでいる