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わずか数年で〝元が取れる〟!? ブレークアウトが民泊投資で高利回りを実現

2024年1月にオープンしたばかりの「THE CITYSCAPE」(札幌市東区北5条東9丁目1-35)。広々としたリビングはデザイン性が高い

インバウンドの回復で、コロナ禍前にも増して民泊需要が高まっている。このような状況の中、投資家から改めて注目されているのが民泊投資だ。民泊物件の企画運営、管理を行うブレークアウトの藤田龍之介社長に話を聞いた。

デザイン性にこだわり選ばれる物件に

――事業内容は。

藤田 民泊物件の企画から管理・運営、物件の紹介までワンストップで手掛けています。これまで自社物件を含め、約300物件を企画しました。今年で創業7年目になりますが、6期連続で黒字を達成しています。今期は、年商9~10億円を見込んでおります。

――どのような民泊物件を企画していますか。

藤田 投資家のニーズに応じて、マンションタイプのものから、戸建てまで広さや間取りを問わず、幅広く企画しています。

「Airbnb(エアビー)」などの民泊サイトで集客していますが、選ばれるための〝見せ方〟にこだわっています。日本らしい落ち着いた和室風の部屋、インテリアや壁紙をモノトーンでそろえたシックな部屋など、デザイン性を重視しています。

自社で所有し、運営する物件は戸建てタイプを重視しています。築浅の戸建ても、築年数の古い戸建ても、民泊仕様にリフォームし、民泊物件として運用してコスト回収を進めた後、実需向けに住宅として販売することを出口戦略の選択肢として残すことでリスクヘッジと捉えています。

驚異の利回り年64%を達成

――具体的な利回りは。

藤田 富良野市の4LDK+2LDKの自社所有戸建て「THE LANDMARK(ランドマーク)」は2022年秋に購入し、22年12月末にオープンしました。この1年での稼働日数は190日弱でした。購入費用はリフォーム代を含めて約3900万円、得られた宿泊費は2506万円、つまり年間の表面利回りが64%、仮に当社のお客様である投資家様が所有していた場合は、リネンや清掃などの経費を差し引いた実質利回りは約32%(23年4月~24年3月)。この数字は私たちも驚きました。また、投資家様の購入物件の平均表面利回りは30~35%です。

――融資実績については。

藤田 少し前までは、融資が通っても物件価格の半分など、厳しい〝壁〟がありましたが、最近では当社の実績が認められ、金融機関から物件価格の全額を融資していただけています。オーナー様からも「ブレークアウトにして融資が通った」と喜ばれています。ファイナンス面でもお手伝いできるのは強みだと思っています。

――インバウンドから選ばれている理由は。

藤田 例えば、大人数で旅行に行く際、ホテルだと全員が同じ場所に集まるのはなかなか難しい。私たちが企画する戸建て物件では、広々としたリビングに全員が集まり、快適に過ごすことができるのが特徴です。これがインバウンドから選ばれる重要なポイントです。また、民泊はアクセスの良さがそのまま収益につながるわけではありません。例えば、札幌市内の地下鉄沿線外でも十分収益化できているモデルがたくさんあります。

住宅を高収益民泊施設に変貌させる

――顧客オーナーも増えているようですね。

藤田 提案力に自信を持っています。自社で運営することで、さまざまなデータを分析でき、地域の選定や宿泊費用の設定などに生かしています。オーナーに〝ハズレ〟を引かせないことが最も大切ですね。

――道内の民泊投資については。

藤田 東京と比較すると、不動産が安いので初めての不動産投資でも始めやすいと思います。

何より北海道は観光需要が非常に高い。観光客は夏と冬に集中するというデメリットもありますが、仮に繁忙期だけの稼働でも十分な収益を確保できます。道内はまだ競合が少ない分、宿泊単価を上げやすいといったメリットもあります。

――20年には投資家に向けて民泊用物件探しのポータルサイト「民泊不動産.com」をオープンしました。

藤田 私自身も民泊用物件を探す大変さを身にしみて感じていました。投資家の皆さんが民泊用物件を探せる専用サイトがあればと思い、オープンしました。

――今後の展望については。

藤田 道内には使われていない住宅や社宅が多くあります。住宅としてのニーズが無い物件も観光ニーズがある場合があるので、眠っている社宅を大型民泊施設によみがえらせるプロジェクトを構想中です。

また、自社運営物件や企画物件を増やしながら、管理会社としても成長していきたいです。これからも時代のニーズに合わせた民泊施設を追求し続けていきます。

ブレークアウト
藤田 龍之介社長
(ふじた・りゅうのすけ)1991年生まれ。札幌藻岩高校、小樽商科大学卒業。国分(現国分グループ本社)、リクルート住まいカンパニー(現リクルート)を経て、民泊事業を開始。2017年10月にブレークアウトを創業。
「THE LANDMARK」(富良野市島ノ下5597)は自社物件の中でも特に人気が高く、収益性が高い