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今振り返る、私の思い出紀行 第七回【ボイスオブサッポロ・橋本 登代子氏】

ギリシャ・アテネにあるパルテノン神殿をバックに記念撮影。右は夫の大西賢英氏(現STV常務)

古代文明の源を訪ねた新婚旅行でのあれこれ

 旅行といってすぐに思い出すのがギリシャとエジプトでの新婚旅行です。36年前の1988年(昭和63年)で、夫はSTVの社員、私はアナウンサーでした。

 2人とも両国の歴史、文明に興味があり、現地でその一端に触れようと行く先に決めたのです。

 アテネの空港からホテルまでの雲助タクシーで不当な料金を払わされる不愉快なスタートでしたが、後は楽しかったり、驚いたりの連続で満足のゆく旅でした。

 アテネのホテルでは、当時世界中で活躍していたアメリカの歌手バリー・マニロウが降りてくるはずのエレベーターから私たちが出てきたことで、ロビーで待ちかねていた大勢のカメラマンをがっかりさせたという一幕もありました。あの時の期待外れと混乱の場面は今でも忘れられません。

 さて、ギリシャではアクロポリスの丘が印象に残っています。都市国家として高度な文明を誇った古代ギリシャの象徴。ギリシャ神話に代表される文学をはじめ、美術、哲学、数学など多くの分野がヨーロッパ文明の源流とされています。 

 丘にはパルテノン神殿を中心に大小さまざまな神殿や音楽堂、劇場、博物館など都市国家を支えた多くの遺跡があり、いくら時間があっても足りないくらいでした。遺跡群の石の白さとエーゲ海の青さが今も目に浮かびます。

 次に訪れたエジプトも古代文明を今に伝えることではギリシャと並ぶ国です。まず訪れたのはカイロ郊外・ギザにある三大ピラミッドです。中でも高さ147㍍のクフ王のピラミッドは有名で、使われている石材の運搬や積み上げ方法など、今もって謎だらけといわれています。正確な四角錐とした計算方法やそれぞれの配置などには天文学の知識も不可欠と言われ、宇宙人が指導したという説もあって「そうかも…」と思わずにはいられません。 この時は複雑な構造の内部も見学しました。

 ここで不思議なことがありました。見学前から具合が悪かった夫の体調が内部の階段を上っているうちに嘘のように回復したのです。建造当初からこうした不思議な現象は数多く伝えられているそうで、何冊もの本でも書かれています。そうした現象や謎がいくつあっても不思議ではないギリシャとエジプトの旅でした。

 こうした旅の他に、この20年ほど毎年欠かさず1人で出かけている国内での旅があります。それは静岡県の伊豆高原にあるファスティング(断食)ホテルに7日間ほど滞在し、断食や運動などのプログラムに基づいた生活指導によって体内の老廃物などを排出。自然治癒力向上、疲労回復、精神安定を目指すものです。 

 最初の体験で慢性疲労の回復やストレス解消などを実感して以来、毎年続けて健康を維持しています。

橋本 登代子氏