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成進

高所作業を得意としており、道外物件も手掛ける

人材を〝育てて輩出する〟をテーマに新たな取り組みを計画

特殊足場工事と解体工事を得意としている「成進」。総合とび分野で拡大を続けている。登別本社、室蘭支店のほか仙台市にも支店を置き、近年は道外にも活躍の場を広げている。

2021年には、名古屋市内の大型焼却炉解体工事を受注。ごみ処理施設である名南陽工場(愛知県名古屋市)と山田工場(同)の2カ所を担い、1年以上の長期工事の末、23年3月に完遂する予定だ。

道内でも足場工事の大型受注が続く。22年3〜7月に苫東厚真発電所(苫小牧市)、8月からは後志管内全域で、各地の電波塔を担った。

中里友宣社長は「業績も堅調で今年6月には創業20周年を迎えます。この20年は、とび業界と地元である登別市や室蘭市に育ててもらった。この節目を機に、恩返しがしたいと考えました。人材不足が著しい業界に貢献すべく、今春から新たな取り組みとして、とび職の独立希望者支援をしていきます」と話す。

対象は将来の独立を前提に入社した従業員で、独自のカリキュラムによってとびの知識や技術、安全対策など基礎的なスキルを5年間で教育し育成する。独立後もさらに5年間は「協力会社」として同社の下請け業務をこなすほか、中里社長が自ら経営のノウハウを実践に即して教えていくという。

「本当の意味での〝一人前〟を10年間で共に目指します。近年、とびの業界では独立する人が急増している。しかし、きちんとした経験や知識も無く起業する人も多く、いわゆる〝一人親方〟が多い。業界発展のためには従業員を抱えて、組織として機能する会社を増やさなくてはいけない」と中里社長は業界の今後を語る。

このほか、地域への貢献活動にも取り組んでいる。胆振東部地震のブラックアウトの経験を受け、本社事務所を災害時の住民避難所としても活用できるようにリフォームした。太陽光パネルを設置し、停電時でも炊き出しや入浴などが可能となっている。

また、中里社長自身が幼少時代にサッカーにいそしんだ経験から、21年11月からは4年生以下の少年サッカー大会のメインスポンサーも務めている。

「本業のとび工事に加え、業界発展と地域への貢献も当社の役割です」と中里社長。

中里友宣社長
従業員はエキスパートが揃う