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全日計

今年4月に本社を移転。オフィスや倉庫兼作業場も一新

〝地下埋設〟のプロ集団。雪害による油の漏洩事故処理や予防も提案

「全日計」は、地下タンクの設計・製造国内大手「タマダ」(本社・石川県)のグループ企業として、道内の「ENEOS」や「出光昭和シェル」などのガソリンスタンドの地下に埋設する燃料貯蔵用タンクの設計・施工や保守業務を担っている。

タンクの老朽化による燃料の漏洩を未然に防ぐため、15年以上経過したタンクを対象に年1回の漏洩検査を行っているほか、必要に応じてタマダ社独自の改修工事「FRPライニング」も提案。内部の鉄板や配管に特殊な樹脂を塗りこみ、腐食を防ぐ独自のFRP層を形成することで、漏えいを長期間予防する。

もちろん、タンクの入れ替えや新設にも対応している。

地下埋設工事のプロ集団として、新たなオファーも舞い込んでいる。

「例年にない大雪に見舞われたことで、屋外に設置された重油や灯油タンクの配管が、雪の重みや落雪で破損し、油が漏洩する事故が相次ぎました。雪害を防ぐ配管の地中化工事について、多くの問い合わせが寄せられています」と渡邊隆臣社長。

改修費用は地上に露出している配管の長さや本数によって異なるが、数十万〜500万円程度で収まるケースが多いという。

工場や商業施設、ホテル、住宅などあらゆる建築物に提案していく方針だ。

渡邊社長は「大量の油が土にしみ込めば土壌が汚染され、放置すれば地下水に混合して隣地や河川の汚染にもつながります。環境汚染は企業の信用を失墜させるだけでなく、その賠償は数千万単位となることがほとんど。経営にも大きな打撃を与えます。もちろん、暖房や給湯に支障が出ると、工場やホテルは稼働できませんから、被害は甚大です」と警鐘を鳴らす。

さらに3月からは、汚染土壌の浄化作業も内製化。〝万が一〟にワンストップで迅速に対応できる体制を敷いている。

また、災害時などに利用される防火水槽と呼ばれる貯水槽も地下埋設物の1つで、一定規模以上の工場などには消防法で設置が義務付けられている。

「法律施行以前に建てられた古い工場などは未設置の場合が多く、当社ではタマダ社製の『耐震性貯水槽・防火水槽アクアエンジェル』や『飲料水兼用耐震性貯水槽アクアインピット』の設置を提案しています。気軽にご相談ください」と渡邊社長。

渡邊隆臣社長
ガソリンスタンドの配管埋設工事