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ダイワ工業

ガレージと物置

雪下ろし不要の量産型ガレージを近く商品化

昨年、創業35周年を迎えた「ダイワ工業」。鉄製のアイアンガレージメーカーであり、優れた加工技術で変形地や狭小地にも対応した一点物のガレージを数多く製造している。カラーバリエーションも豊富で、住宅と調和するブラックやブラウンも用意している。

ユーザーへの直接販売は行っておらず、道内のハウスメーカーや工務店が販売先。物置なども含めると、年間販売数は1800棟以上に上り、業績も堅調に推移している。

一方、地場のメーカーとして、積雪問題の解決に向けた技術開発で試行錯誤を続けている。

荘司光哉社長は「毎年、雪下ろし中の転落事故でケガをしたり命を落とす方がいらっしゃいます。お金をかければ無落雪仕様の特注品は容易につくれますが、廉価な量産品として雪下ろし不要のガレージやカーポートをつくりたい。3年以内に商品化にこぎつけます」と語る。

昨年から今年にかけて、既存製品でモニタリングをスタート。本社敷地内に仮設のガレージを建て、ワンシーズン雪を下ろさずに検証した。その結果、大きな損傷はなかったものの各所に軽度な傷みが認められ、柱の新設や鉄板の剛性強化、溶接方法の見直しなど改良点があぶり出された。

「来シーズンは今回の結果を踏まえ、改良品でモニタリングを行います。体の自由がきかない高齢者など、雪下ろし要らずのガレージを待ち望んでいるユーザーのためにも、引き続き開発に力を入れていく」と荘司社長。

一方、これまで培った鉄加工技術を生かし、2020年には鉄製家具の製作を事業化。オリジナルアイアン家具ブランド「ando・・・・」を立ち上げた。販売数は年々増えており、本社を構える美唄市のふるさと納税返礼品にも採択されている。

本社の敷地内に建つ同ブランドのショールームも注目を集めている。外壁に採用した耐候性鋼「コールテン鋼」は、独特のさびの風合いが特徴。遠方から愛好家が見学に訪れるなど一部の層からの人気は絶大で、新たにショールームの製作依頼も舞い込んでいる。

「現在、グランピングなどのアウトドアとのコラボレーションも企画中です。テントやコテージではなく、『アイアンハウス』という新たな選択肢を提案していきたい。地元の美唄市をはじめ、各自治体にアピールしていきます」と荘司社長は話す。

雪を下ろさずに耐久性をモニタリング
荘司光哉社長
自社工場で鉄をさまざまな形状に加工。高い技術力を有する
さびの独特の風合いが印象的なショールーム