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池田熱処理工業

国内では珍しい窒化ポテンシャル(窒素濃度)制御が可能な「ガス軟窒化炉」も設置

屈指の熱処理技術で創業60周年、航空機部品製造への参入も目指す

熱処理とは、金属に熱を加え硬化させる技術のこと。金属部品の耐摩耗性・耐久性の向上を目的に、仕上げなど最終工程に用いられる。
この分野で道内トップシェアを誇るのが「池田熱処理工業」だ。熱処理加工に加え、ミクロン単位の精度を誇る精密機械加工や、油圧シリンダーの生産能力でも道内随一となっている。
これを生かし国内外の自動車部品や建設機械、農業機械メーカーなどに部品を供給。産業機械の歯車、自動車のクラッチ板、農機具用のシャフトなど、さまざまな製造を下支えしており、2021年9月で創業60周年を迎える。

同社では、さらなる永続化に向けて新しい取り組みも進めている。15年に池田隆久氏が社長に就任すると、企業としての「個性」を打ち出すことに力を入れた。
「製造業を巡る環境は激変しており、本州はもとより、アジア系企業にも対抗できるようにしていく必要があります。新たな設備投資はもちろん、ブランディングにも取り組んでいますが、何よりも大切にしているのは『人財』です」と池田社長。
高性能ハードウェアを積極的に導入し、生産の効率化と省エネ化を図る一方、ソフト面でも工場内の動線を見直すなど職場環境の改善をおこない、人材教育にも力を入れている。

近年は、業務内容に合わせて働き方に柔軟性や多様性を持たせ、女性社員も増えた。今や、全社員の4分の1を占める。
新型コロナウイルスへの対応も積極的におこなっている。全社員に支援金やマスクを支給し、サーモカメラやリモート会議室も新設した。
環境の変化に打ち勝つためには、素早いレスポンスも重要。20年には更なる営業強化を図るため、各製造部門の技術者を配置した。豊富な知識と経験をいかし、より一層、顧客の要求に素早く対応する。

19年には航空機部品への事業参入を目指し、道内企業で「札幌エアークラフトサプライヤークラブ」を結成。20年には経済産業省のサプライチェーン補助金が採択された。
道内で採択されたのはわずか2件で「航空機産業は、地方創生につながると周囲からの期待も大きい」と池田社長。
新分野への挑戦は、「社員の士気も上がり、企業の魅力も高まる。将来を見据えた挑戦です」と展望を語る。

池田隆久社長
工場には同業他社の見学も多い
リモート会議に対応したシステムも導入