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医療法人社団くわのみ会 桑園整形外科

変形性膝関節症

数少ない再生医療実施機関。自宅でできる簡単筋トレも紹介

「緊急事態宣言解除後から膝痛を訴える外来患者が増えています。変形性膝関節症は、クッションの役目をしていた軟骨や半月板が減ることで痛みが出る慢性的なひざの痛みの代表疾患です。減った軟骨や半月板をカバーしていた膝関節の筋力が不足すると痛みが顕在化してきます。今回は自宅や職場でできる簡単な膝関節周囲の筋トレをご紹介しましょう」とは桑園整形外科の東裕隆理事長。
「まず、膝をまっすぐ伸ばし(痛みを伴う場合は軽度屈曲位で)、かかとを床から5~10㌢上げて5秒間保持します。次に、股の間にクッションかボール(自分の手でも可)を挟み5秒間保持します。この2種類を空き時間に何回もやって下さい。すぐに筋肉は付きませんが、継続していると2~3カ月で効果を実感できる方が多いでしょう」
 運動を継続しても改善しなかったり、痛みが残る場合はヒアルロン酸の関節内注射が有効。それでも改善がみられなければ、これまでは手術しかなかったが、現在は国から許可された一部の医療機関で再生医療の注射が実施できる。その1つが同院だ。実施できる医療機関は札幌でも数カ所しかない。
 自分の血液を約50㏄採取し、いくつかの工程を経て、血液中の炎症を抑える成分を抽出。それを関節内に注入する。軟骨の残存量によって差はあるが、大きく痛みが消失する人もいるという。 
 自由診療となっており、PRP療法で10万円、その有効物質が10倍以上含有され、次世代PRP療法と言われるAPS療法は30万円が目安だ。
 それでも改善できない場合は手術。軟骨が相当減っていれば人工膝関節置換術となるが、東理事長は小さな切開が特長の「MIS(最少侵襲手術)」という術式で執刀する。筋肉を極力切らずに小さな傷口で手術を完遂し、入院期間も2週間以内。抜糸も不要だ。
 開院以来、全道各地から2000人以上がこの手術を受けている。リハビリも自宅でできるメニューとなっている。

東 裕隆理事長院長
あずま・ひろたか/1992年北海道大学医学部卒業後、市立札幌病院救急部勤務。93年北大医学部整形外科入局。2000年カルガリー大学(カナダ)留学。03年市立札幌病院整形外科副医長を経て、07年開院。11年医療法人社団くわのみ会を設立し理事長・院長に就任。日本整形外科学会認定整形外科専門医。
ひざ伸ばし運動(上)とボール挟み運動。どちらも自宅で簡単にできる
再生医療1回目の遠心分離。中間の黒みがかった層が血小板
2回目の遠心分離。底に残った有効成分をひざに注射する