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會澤高圧コンクリート

會澤祥弘社長

世界をリードする自己治癒材料技術。デジタル化推進で事業価値向上へ

 コンクリートマテリアルのプロ集団「會澤高圧コンクリート」。創業から85年を数え、全国に18の支店・営業所と13の製品工場を展開。海外にも7つの拠点を持つ。

 今春始まった全長8㌔にわたって札幌市の地下を走ることになる北海道新幹線「札樽トンネル」建設工事。直径11㍍の巨大な円形状の構造体RCセグメントを道内2工場に分けて製造し、全量を供給する。

1個約10㌧のセグメントがおよそ40万個連結される。総重量にして37万㌧の巨大な地下トンネル構造物が4年半後に出現することになる」と會澤祥弘社長は力を込める。

 一方で〝脱炭素社会〟に向けた技術開発にも、グループを挙げて取り組む。本丸の材料技術にバイオやAIなどの先端技術を掛け合わせ、新たなサービスを創造する手法。その代表が、オランダのデルフト工科大学と共同開発した、バクテリアの代謝機能を使う自己治癒コンクリート「Basilisk」(バジリスク)。

 ヒビ割れを自ら修復する技術の実用化は世界でも初めてという。インフラの長寿命化を図り、社会コストの低減とセメント由来のCO2削減に取り組む。プラントの設備投資もほぼ終え、今秋から全国販売する運びだ。

 また、マサチューセッツ工科大学系のベンチャーと組み、電気とエンジンのハイブリットで飛ぶ大型産業用ドローンも開発。10㌔の荷物を載せて1時間以上自律飛行できるこの機体をベースに、液体の自己治癒材をコンクリート構造物の表面に塗布してインフラを守る、新たなインフラメンテサービスを構想している。

 さらに「コンクリートは印刷する時代へ」と銘うち、ロボットアーム式のコンクリート3Dプリンティング技術も確立。型枠を使わずに構造物をスピード造型するこの技術は、7月に開業した国立博物館「ウポポイ」の屋外ベンチなどの製造にも使われた。

「コロナ禍とデジタルが時代の変化を加速する」と會澤社長。テックをテコに事業価値の向上へと舵を切る。

札樽トンネル建設工事で供給しているRCセグメント
ハイブリットエンジンで飛行する大型産業用ドローン