【今月号特選記事】北大火山研が最先端予測 十勝岳・有珠山は噴火周期ど真ん中

 活火山とは、「過去およそ1万年以内に噴火した火山および現在活発な噴気活動のある火山」のこと。

 国内にある111の活火山のうち、北方領土を含む北海道には31火山が存在する。
 このうち、火山噴火予知連絡会によって選定された雌阿寒岳、十勝岳、樽前山、有珠山、北海道駒ケ岳、アトサヌプリ、大雪山、倶多楽、恵山の9火山は札幌管区気象台が24時間体制で観測を行っている。

 有珠山では20世紀以降、1910年、43~45年、77~78年、2000年に4回の大規模噴火が起こった。

このタイミングを見て分かるように、有珠山の噴火周期は20年から30年ほど。前回の噴火から21年が経過し、そろそろ噴火が起こってもおかしくない。

 21年10月には道主導で伊達市など有珠山近隣の市町を対象に大規模な避難訓練を実施。防災への備えを厚くしている。

 北海道大学大学院の理学研究院附属地震火山研究観測センターによると、噴火予知で目指しているテーマは①時間②場所(山のどこから噴火するか)③規模④噴火の様式⑤噴火後の経過の5点。

 このうち、①時間に関しては長期的・中期的・短期的または直前予測という観点がある。
 噴火は地震に比べて回数が大幅に少ないため、有効なデータも少なく、基本的に予測を成り立たせるのは難しい。

ただ、有珠山については状況が少し異なる。過去の噴火のデータから、精度の高い直前予測と、半年ほど前からの中・長期的予測が可能だという。

 一方、火山研が最も警戒しているのは十勝岳だ。

 十勝岳では1857年、87年、1926年、62年、88年から89年に避難の必要がある噴火を記録している。約30年の周期で大規模噴火をしており、前回の噴火から約33年が経過した。

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 活動期以外は静かな有珠山に比べ、十勝岳ではずっと噴気が出ており、突発的に噴火が起こる可能性が高い。噴火の種類のバリエーションも多く、季節や風向きによって被害の出方が大きく異なるという。近隣に温泉も多いため、観光客が巻き込まれる可能性も高い。

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