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松本組

災害時には避難所として開放される本社ビル

人材育成と災害対応で次の100年も函館に寄り添う

 函館エリアでトップクラスの実績を誇る老舗ゼネコン「松本組」。1926年の創業以来、100年にわたり道南の社会インフラ整備を支えてきた。とりわけトンネル工事で高い技術力を培ってきたことから、業界内では〝トンネルの松本〟と称される存在だ。

 大越雄司社長は「今年で創業100年という節目を迎えました。地域の期待を裏切ることなく歩んでこられたのは、皆様からいただいた信頼の積み重ねがあったからです」と話す。

 現在の事業構成は、公共工事を中心とする土木が約7割、建築が約3割。直近では、大規模土砂崩れにより通行止めとなった国道229号を乙部町鳥山トンネル工事で復旧させるなど、高度な土木技術で地域のインフラを支えている。

 また、函館港若松岸壁の整備では大型クルーズ船の受け入れ環境を整え、地域経済やインバウンド需要の拡大にも貢献してきた。

 一方、道南地域の人口減少や高齢化を背景に人手不足が深刻化する中で生産性向上にも注力している。近年はICT・DXの専門部署を設置し、測量や施工管理のデジタル化を推進。業務効率化と技術継承を両立させている。

 採用活動では、建設業の魅力や仕事のやりがいを積極的に発信。資格取得に必要な受験費用や講習費を会社が負担するなどして若手技術者の成長を後押し。渡島管内最年少の一級建築士を輩出するなどの成果も表れている。さらに、デジタル技術を活用した働き方改革を進め、週休二日制の定着など働きやすい職場環境の整備にも取り組む。

「社員一人ひとりが『松本組で働けて良かった』と思える会社であり続けることが大切です」(大越社長)。

 地域密着の建設会社として、防災活動を通じた地域貢献も推進。地元町会などと防災協定を締結し、災害時には迅速な復旧活動を担うほか、本社を避難場所として開放。津波警報発令時には実際に多くの住民が避難した。北海道胆振東部地震では自社の発電機を開放して携帯電話の充電サービスを実施。さらに社員が高齢者宅を訪問し避難を呼び掛けるなど「地域の守り手」としての役割を果たす。

 大越社長は「社員、協力会社、地域の皆様とともに成長し、技術と信頼を次世代へ受け継いでいきたい。次の100年も地域から最も信頼される建設会社を目指します」と力を込める。

乙部町鳥山トンネル(上)や港湾・漁港工事(下)で実績
大越雄司社長