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うめや歯科クリニック

村住 彰彦 理事長
むらずみ・あきひこ/1985年日本大学歯学部卒業。90年に開院。スウェーデン・イエテボリ大学ブローネマルククリニックでの研修など、世界各国で研究活動を続けている。

デジタル技術の活用とデータが導く治療を推進

 開院以来30年以上にわたり、歯科医療のデジタル化を推進してきた村住彰彦理事長。

 近年はデジタル技術の進展を受け、その取り組みをさらに加速。今年6月には国内で2台目、北海道では初となる新型のCAD/CAMシステム(コンピューターを用いた設計製造ユニット)を導入。詰め物や被せ物、インプラント上部構造などの補てつ物を、金属やセラミックなど幅広い材料から高精度かつ迅速に製作できるようになった。一般的には歯科技工所へ依頼する製作工程を院内で完結できるため、品質管理の向上と製作期間の短縮を両立している。

 さらに、歯科用3Dプリンターを活用したデジタルデンチャー(義歯)の製作にも力を注ぐ。口腔内を撮影したデジタル画像データを基に、CAD/CAMで設計したデザインから歯肉部分と歯部分を削り出し製作するもので、

従来の模型製作で生じていた材料の収縮や膨張による誤差を抑え、適合性の高い義歯を提供できるようになった。

「昨年12月からデジタルデンチャーが保険適用となり、患者さんの選択肢が広がりました。デジタル化が進んだことで、精度の高い治療を効率よく提供できる環境が整いました」と村住理事長。

 また、インプラント治療では長期的な安定性を重視し、国内外の知見を積極的に取り入れている。1987年に世界初のインプラント治療を行ったスウェーデンのイエテボリ大学の臨床特訓コースに、日本人としては初めて参加した。以来、世界各国の大学や歯科医師のもとを訪ねて、最新の技術や治療について研さんを重ねている。

 一方、近年は治療だけでなく、口腔機能の維持・向上にも注力している。特に50歳以上を対象とした「口腔機能検査」を実施し、噛む力や舌の動き、飲み込む機能などを数値化して評価。歯に付着した歯垢の磨き残しをパーセンテージで数値化した「PCR(プラークコントロールレコード)」を重視している。

 村住理事長は「一般的に臨床現場では、20%以下が1つの基準ですが、当院では5%以下を目標に設定しています。高齢者の口腔機能の低下は、誤嚥性肺炎の原因となり、死亡リスクを高めます。数値で状態を可視化することで、患者さん自身が日々のケアを見直すきっかけにしていただいています」と語る。

 口腔内の状態を〝見える化〟し、デジタル技術で一人ひとりの変化を追跡する。村住理事長が目指すのは、経験や感覚だけに頼らない客観的なデータに基づく歯科医療だ。

3Dデータを用いて精巧な義歯を製作
道内では初導入の医療機器を活用